食品工場や製造現場では、食品の品質と安全性を確保するために衛生的な製造環境がポイントです。ここでは、食品工場での空調管理の重要性と、実際の導入事例を通じて、デシカント空調の効果を紹介します。
食品製造の現場では、わずかな温湿度の変化が製品品質に直結することがあります。とくに湿度の高い環境では、カビや浮遊物質の発生リスクが高まり、製品の衛生・品質管理に悪影響を及ぼしかねません。
また、食品が過剰な吸湿や乾燥を受けることで、風味の劣化や歩留まりの低下といった課題が生じることもあります。さらに、温度差による結露が室内に発生すると、水滴が製品や設備に付着し、衛生リスクの原因となります。
こうしたリスクを最小限に抑えるには、HACCPなどの衛生基準に基づいた管理体制に加え、温湿度を高精度で制御できる空調システムの導入が欠かせません。
粉体調味料は高湿環境下で水分を吸収し固形化しやすくなります。空気温度を上げて相対湿度を下げる手段もありますが、効果的ではありません。
また、フリーズドライ食品などの低温乾燥品は、包装時に余剰水分を吸収すると開封前に品質劣化が進行しやすくなります。
ティーネットジャパンの湿式デシカント空調「カサバー」が作り出す低温・低湿環境は、安定した品質管理と異物混入防止を実現。衛生的な包装室環境の維持や省エネ運用、品質劣化の防止にもつながります。
埼玉県の海苔加工工場では、海苔の吸湿性の高さが品質管理上の大きな問題でした。品質を安定させるためには、工場内の湿度を常に40%RH以下に保つ必要がありましたが、これまでのエアコンではこの条件を満たせませんでした。
そこで、アースクリーン東北の室内循環型デシカント空調を導入。湿気の流入を抑制しながら工場内を40%RH以下で維持することで、品質のばらつきを抑え、乾燥工程の効率も向上しました。
デシカント空調を食品工場へ導入する際には、空調機器本体やダクト内部で結露が発生しにくい構造になっているかを確認することが重要です。特に、断熱処理の有無や空気の流れによって生じる温度差は、結露の主な原因となるため、設計段階での十分な検討が求められます。
万が一、機器内部やダクト内で結露が発生すると、空気環境に悪影響を及ぼす可能性もあるため、デシカント空調を選定する際は、以下の点にも留意してください。
これらの視点から製品仕様を事前に確認し、長期的な衛生管理と安定稼働を見据えた導入判断を行うことが重要です。
画像引用元:株式会社ティーネットジャパン公式HP
(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
0℃付近で高い省エネ効率(乾式デシカント比約40%削減※1)を発揮し、低温環境での運用コストを大幅に削減。霜取り運転も不要なため安定した稼働が見込めます。
特殊溶液が結露・粉じんを抑え、製品トラブルを予防。除菌性(食塩水相当)により空気中の菌も除去※2し、HACCPにも対応可能です。
画像引用元:株式会社西部技研公式HP
(https://seibu-giken.com/products/287/)
機能性ハニカム構造を製造する技術と、特殊シリカゲルや合成ゼオライトを使用することにより、-90℃DPという超低露点に対応します。
クリーンブースの一体設計が可能。湿度制御の精度を高めることで、恒常的な超低湿制御が前提となる有機EL製造に対応できます。
画像引用元:日本特殊陶業公式HP
(https://niterra-air.com/)
天井埋め込み型なので店内の景観を損なわず、最短1日の夜間工事※3で設置が完了。営業への影響を抑えた導入が可能です。
独自開発の除湿素材を活用し、店内の湿度を40〜50%に保つことで、冷蔵ショーケースの曇りや結露の発生を抑えやすい空調環境を整えます。
※1 108.8kW→61.9kW 参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/files/products_kathabar/comparison_table.pdf)
※2 実証実験による結果。測定場所:某ビール工場 測定日時:1998年7月7日 測定機器:RCSエアーサンプラー(密閉状態で測定)
参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
※3 1台で約1日(スーパーマーケットの場合、閉店後~翌開店前まで)で設置可能。 参照元:日本特殊陶業株式会社公式HP(https://niterra-air.com/faq/)