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デシカント空調導入助成金・補助金制度まとめ

目次

デシカント空調の導入には一定の初期投資が必要ですが、各種助成金制度を活用してコストを抑えつつ、設備更新や省エネ対策を推進することが可能です。

本記事では、代表的な補助金制度の概要、実際の導入事例、申請の流れまでを網羅的に紹介します。

デシカント空調導入に補助金は使える?

経済産業省の省エネルギー投資促進支援事業費補助金や環境省の二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(SHIFT事業)などでは、デシカント空調が設備要件を満たすことで、導入費の一部に対して補助を受けられます。

対象となるか否かは導入する設備の仕様、省エネ効果、CO₂削減の見込みなどによって異なりますが、製造業、商業施設、医療・福祉施設など湿度管理が求められる現場では、補助金を活用しての導入が広がっています。

設備投資の負担軽減と環境対策の両立を図る手段として、活用可能な補助金制度は有力な選択肢となるでしょう。

補助金活用の
成功事例

中小企業や自治体、病院・工場向け補助金の対象例

デシカント空調は、中小企業の工場や福祉施設、自治体の公共施設、病院、スーパーマーケットなど、湿度管理が重要となる施設に導入する場合に補助対象となる場合があります。

食品の製造・保存医療現場での衛生管理書籍などの保存環境維持の用途では、湿度を個別に制御できるデシカント空調の機能が高く評価されています。

令和4年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業費補助金の活用事例

印刷・製本業を営む大日本法令印刷では、老朽化した空調設備の更新にあたり、令和4年度補正予算「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」を活用しました。

GHP(ガスヒートポンプ)からEHP(電気ヒートポンプ)への転換を中心に、合計48台の室外機を更新。事業費は約3億6,500万円、うち機器費約1億1,800万円に対して約3,900万円の補助を受けました。

更新後は省エネ率49.5%、年間エネルギー使用量を81.5kl削減するなど、大幅なCO₂排出削減と運用コストの抑制を実現しました。

令和4年度 SHIFT事業(工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業費補助金)の活用事例

医療法人徳洲会宇和島徳洲会病院では、SHIFT事業(先導的な脱炭素化取組推進事業費補助金)を活用して、吸収式冷温水機からモジュールチラー(60HP×6台)への更新を実施。初期投資額は約1億5,025万円で、補助対象経費は約1億3,871万円、そのうち約4,600万円の補助を受けました。

導入後は省エネ率55.1%、年間CO₂削減量348.6tを達成。医療機関としての環境配慮とエネルギーコスト削減を両立した事例です。

代表的な補助金・
助成金制度一覧
(2025年版)

経産省系
(省エネ投資促進事業費補助金など)

経済産業省が主導する省エネルギー投資促進支援事業費補助金は、老朽化した設備の更新や新規導入に対して、省エネ性能の高い空調機器や熱源機器などの導入を支援する制度です。

デシカント空調は、省エネ効果やCO₂排出量削減効果が見込めるため、制度の要件を満たせば対象設備として認定されることがあります。

本制度はⅠ型(工場全体)、Ⅱ型(プロセス電化・燃転)、Ⅲ型(設備単位)、Ⅳ型(EMS導入)の4類型に分かれており、デシカント空調は主にⅢ型の補助対象に該当。補助率は1/3、上限額は1億円で、SII(環境共創イニシアチブ)により省エネ性能などの要件を満たすことが必要です。

環境省系(CO₂
排出削減補助金)

環境省が展開する二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金のうち、SHIFT事業(先導的な脱炭素化取組推進事業)は、工場や事業場におけるCO₂排出削減を目的として、省エネ率の高い空調機器や熱源機器設備の導入を支援する制度です。

デシカント空調のように高い省エネ性能を持つ設備は、導入目的や効果が基準を満たしていれば補助対象として認められる場合があります。

SHIFT事業のうち、省CO₂型システムへの改修支援事業では、補助率1/3、補助上限額は原則1億円(一部例外で最大5億円)です。補助金交付の条件には、導入後のエネルギー使用実績やCO₂削減量の報告義務があるため、忘れずに報告しましょう。

申請における
注意点と成功のコツ

補助対象となる
費用範囲の確認

補助金の制度によっては、機器本体のみが対象となる場合と、設置工事費や搬入費用なども含めて対象となる場合があります。

デシカント空調は設置工事を伴うため、工事費が対象経費に含まれるか否かによって、実際の自己負担額が大きく変わります。申請前に「補助対象経費」の定義を公募要領でよく確認し、不明点があれば補助金制度の申請受付や管理を行っている事務局に問い合わせましょう。

実績報告義務と
不正受給のリスク

補助金を受給した場合、事業完了後に実績報告書の提出が義務付けられます。これは、導入した設備が計画通りに設置・運用されているか支出が正当に行われたかを証明するためのものです。

省エネ効果やCO₂削減の成果を、実測データやシミュレーションなどの具体的な数値で報告することで信頼性が高まり、別の補助金申請を行う際に良い影響を与える可能性があります。不正受給を避けるためにも、導入過程から運用までの記録を丁寧に行いましょう。

多くの補助金制度は後払い方式を採用しており、補助金は実績報告後の審査を経て交付されます。そのため、導入時には一時的に自己資金で費用の立て替えが必要です。

そのような初期負担の判断材料として有効なのが、導入によってどれだけの経済的効果が見込めるかを示すROI(投資利益率)の算出です。たとえば、初期費用500万円に対し、年間100万円の削減が見込まれる場合、ROIは20%(100万円÷500万円×100)となります。

補助金はあくまで「一部補助」であるため、残る自己負担分の費用対効果を社内でどう説明するかが重要です。ROIやコスト削減見込みを数値で示すことにより、補助金活用を含めた設備投資全体の合理性を証明でき、社内稟議や経営判断のスムーズな後押しにつながります。

THREE SELECTIONS
目的に応じて選ぶ
デシカント空調製品おすすめ3選
チルド食品の冷却包装
向け
カサバー
カサバー

画像引用元:株式会社ティーネットジャパン公式HP
(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)

低温度帯での省エネ稼働と衛生管理

0℃付近で高い省エネ効率(乾式デシカント比約40%削減※1)を発揮し、低温環境での運用コストを大幅に削減。霜取り運転も不要なため安定した稼働が見込めます。

特殊溶液が結露・粉じんを抑え、製品トラブルを予防。除菌性(食塩水相当)により空気中の菌も除去※2し、HACCPにも対応可能です。

有機EL製造・開発環境
向け
ドライセーブSSP/SZP
ドライセーブSSP/SZP

画像引用元:株式会社西部技研公式HP
(https://seibu-giken.com/products/287/)

超低露点乾燥を実現する独自技術

機能性ハニカム構造を製造する技術と、特殊シリカゲルや合成ゼオライトを使用することにより、-90℃DPという超低露点に対応します。

クリーンブースの一体設計が可能。湿度制御の精度を高めることで、恒常的な超低湿制御が前提となる有機EL製造に対応できます。

冷蔵ショーケース結露対策
向け
カラットデシカント
カラットデシカント

画像引用元:日本特殊陶業公式HP
(https://niterra-air.com/)

営業を止めずに黒カビ・結露対策

天井埋め込み型なので店内の景観を損なわず、最短1日の夜間工事※3で設置が完了。営業への影響を抑えた導入が可能です。

独自開発の除湿素材を活用し、店内の湿度を40〜50%に保つことで、冷蔵ショーケースの曇りや結露の発生を抑えやすい空調環境を整えます。

※1 108.8kW→61.9kW 参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/files/products_kathabar/comparison_table.pdf)
※2 実証実験による結果。測定場所:某ビール工場 測定日時:1998年7月7日 測定機器:RCSエアーサンプラー(密閉状態で測定)
参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
※3 1台で約1日(スーパーマーケットの場合、閉店後~翌開店前まで)で設置可能。 参照元:日本特殊陶業株式会社公式HP(https://niterra-air.com/faq/)