適切な温度管理は、職場の快適さだけでなく、製造業においては歩留まりにも深く関わります。
また、業種や目的に応じて適切な空調を選定することは、安定した事業基盤を構築するうえで非常に重要な事項です。
このメディアでは、目的別に適したデシカント空調製品について詳しくご紹介。
トラブルや過剰設計を避け、自社に合った空調を導入するための参考にしてください。
画像引用元:株式会社ティーネットジャパン公式HP
(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
0℃付近で高い省エネ効率(乾式デシカント比約40%削減※1)を発揮し、低温環境での運用コストを大幅に削減。霜取り運転も不要なため安定した稼働が見込めます。
特殊溶液が結露・粉じんを抑え、製品トラブルを予防。除菌性(食塩水相当)により空気中の菌も除去※2し、HACCPにも対応可能です。
画像引用元:株式会社西部技研公式HP
(https://seibu-giken.com/products/287/)
機能性ハニカム構造を製造する独自技術と、特殊シリカゲルや合成ゼオライトを使用することにより、-90℃DPという超低露点に対応します。
クリーンブースの一体設計が可能。湿度制御の精度を高めることで、恒常的な超低湿制御が前提となる有機EL製造に対応できます。
画像引用元:日本特殊陶業株式会社公式HP
(https://niterra-air.com/)
天井埋め込み型なので店内の景観を損なわず、最短1日の夜間工事※3で設置が完了。営業への影響を抑えた導入が可能です。
独自開発の除湿素材を活用し、店内の湿度を40〜50%に保つことで、冷蔵ショーケースの曇りや結露の発生を抑えやすい空調環境を整えます。
※1 108.8kW→61.9kW 参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/files/products_kathabar/comparison_table.pdf)
※2 実証実験による結果。測定場所:某ビール工場 測定日時:1998年7月7日 測定機器:RCSエアーサンプラー(密閉状態で測定)
参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
※3 1台で約1日(スーパーマーケットの場合、閉店後~翌開店前まで)で設置可能。 参照元:日本特殊陶業株式会社公式HP(https://niterra-air.com/faq/)
チルド食品の
冷却包装向け
吸湿性・除塵性に優れた塩化リチウム水溶液が包装ライン内の結露や粉じんの発生を抑え、製品や設備への悪影響を防止。
クリーンな環境を維持しつつ、結露によるシール不良などのトラブルを未然に防ぎます。
食塩水と同等の除菌性を持つ塩化リチウム水溶液が空気中の細菌や真菌を除菌※。
近年、食品製造の場でも強く求められているHACCP基準に対応可能な衛生管理が実現します。
高い吸湿性能により0℃付近でも効率的に除湿でき、乾式デシカントと比べ低温度帯でのエネルギー消費を削減。
霜取り運転も不要なため、メンテナンス作業中のライン停止がなくなり、生産性向上に貢献します。
カサバーは冷蔵食品や乾燥食品を扱う現場を中心に、多くの企業で導入・運用されています。包装室の環境を低温・低湿に保つことで、品質の維持や異物混入リスクの抑制が可能です。
ほか
カサバーの導入に際しては、温度調査・断熱工事・電気配線・ダクト設計施工などが必要になりますが、メーカーであるティーネットジャパンでは、付帯工事を含む全工程の一貫対応が可能です。
初期調査から導入設計、施工、稼働後の運用最適化まで、ワンストップでの導入支援体制を提供しています。
会社名 | 株式会社ティーネットジャパン |
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所在地 | 大阪府東大阪市角田1-5-44(プラントエンジニアリング事業部) |
電話番号 | 072-960-4051 |
公式HP | https://www.tn-japan.co.jp/ja/index.html |
有機EL製造・
開発環境向け
有機EL製造やリチウム電池の製造現場で求められる、-90℃DP(露点温度)の超低湿環境にも対応可能な除湿制御を実現。厳しい空調条件下でも安定した環境を保ち、水分トラブルを極限まで抑えられる環境が整います。
シリカゲルなどの吸着剤を含侵させた独自技術のハニカム構造ローターは、空気と接する表面積が広く、微細な湿気まで効率良く吸着することが可能。急激な湿度変化にも柔軟に対応し、安定した低露点環境を維持します。
ローター開発から装置設計・クリーンブース・ドライルームの施工まで一貫対応する体制により、メンテナンス性にも配慮したシステム構築が可能。日常の管理作業の負担軽減につながります。
ドライセーブSSP/SZPは湿度上昇の対策や防錆対策として導入されています。
導入企業については、公式HPに記載がありませんでした。
導入に際しては、設置環境や運用条件に合わせて仕様の調整が可能なため、恒常的な低露点管理が求められる製造現場にも柔軟に対応できます。
機器選定と施工が分かれがちなケースでも、空調機器の設計からクリーンブースの構築まで一貫して対応可能なので、調整や業者手配にかかる手間を大幅に軽減。導入に伴う工程の複雑化を抑え、スムーズな現場対応を実現します。
また、省エネ性や機器性能の維持、トラブル防止に向けて、定期的なメンテナンスサービスを提供。カスタマーエンジニアが訪問し、点検・診断から必要な修理や部品交換まで対応します。
会社名 | 株式会社西部技研 |
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本社所在地 | 福岡県古賀市青柳3108-3 |
電話番号 | 092-942-3511 |
公式HP | https://seibu-giken.com/ |
冷蔵ショーケース結露対策向け
除湿ローターが空気中の水分を直接除去することで、冷蔵ショーケース内の相対湿度を安定させ、食品の鮮度や品質への湿気の影響を抑える環境を構築。売場全体での品質管理の安定につながります。
除湿空気をショーケース下部から供給する構造により、冷気が一部に溜まる“冷えだまり”を抑え、結露や霜の発生を軽減。店内の見栄えを保ち、お客様にも快適な売場環境を提供できます。
天井埋込型の構造により店舗内装への影響を最小限に抑えられ、夜間施工・1日完工も可能なため、営業停止を伴わずに短期間で導入できるのが特徴。
売場環境の改善と省施工性の両立が可能です。
カラットデシカントは、食品スーパーをはじめとした小売店舗における冷蔵ショーケース周辺の湿度環境改善に活用されています。
導入企業については、公式HPに記載がありませんでした。
カラットデシカントの導入にかかる作業時間は、1台あたり約1日(閉店後〜翌朝の開店前)が目安。施工は店舗の閉店後に対応できるため、営業への影響を最小限に抑えて設置できます。
天井埋込型にも対応した省スペース設計で、既存店舗への後付け設置が可能です。設置にあたっては、本体やダクトの設置スペース、電源容量を確認し、現地状況に応じて対応します。
また、メンテナンスとして年2回のフィルター清掃を推奨。有償のメンテナンスパックに加入することで、フィルター交換やファン・冷凍機・除湿ローターの点検、冷媒漏れの確認、電流・電圧・温湿度の測定など、運転状態を総合的にチェックすることが可能です。
会社名 | 日本特殊陶業株式会社 |
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本社所在地 | 愛知県名古屋市東区東桜1-1-1 アーバンネット名古屋ネクスタビル |
電話番号 | 052-218-6095 |
公式HP | https://www.niterragroup.com/ |
除湿・加湿・除菌・除塵を1台で実現できる多機能ユニットです。塩化リチウム水溶液を用いて外気や室内空気と接触させることで、湿度の調整と同時に、空気中の微細粒子や菌の除去※にも対応します。
メーカー名 | 株式会社ティーネットジャパン |
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所在地 | 大阪府東大阪市角田1-5-44(プラントエンジニアリング事業部) |
電話番号 | 072-960-4051 |
公式URL | https://www.tn-japan.co.jp/ja/index.html |
除湿ローターが空気中の水分を直接除去し、顕熱(温度)と潜熱(湿度)を分けて制御する仕組みを採用。外気条件の変化にも対応しやすく、安定した温湿度を維持しながら、省エネ運転が可能です。
メーカー名 | 株式会社アースクリーン東北 |
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所在地 | 宮城県仙台市若林区伊在2丁目14-17 |
電話番号 | 022-288-2888(代表) |
公式URL | https://earthclean.co.jp/ |
冷媒配管工事のみで設置できる水配管レス構造のため、給排水設備を別途設ける必要がありません。水漏れやスケールの発生リスクがなく、ドレン清掃も不要なため、メンテナンスの手間を大幅に軽減します。
メーカー名 | ダイキン工業株式会社 |
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所在地 | 大阪府大阪市北区梅田1-13-1 大阪梅田ツインタワーズ・サウス |
電話番号 | 0120-085-022(カスタマーセンター) |
公式URL | https://www.daikin.co.jp/ |
独自のハニカム構造を採用した除湿ローターにより、吸湿性能を大幅に強化。露点+10℃から-80℃という幅広い領域で、自社の従来方式よりも高効率かつ連続的にドライエアを供給できます。
メーカー名 | ダイキン工業株式会社 |
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所在地 | 大阪府大阪市北区梅田1-13-1 大阪梅田ツインタワーズ・サウス |
電話番号 | 0120-085-022(カスタマーセンター) |
公式URL | https://www.daikin.co.jp/ |
ユニット中央の吸放湿ブロックを90度回転させて空気の流路を切り替える「流路切り替え装置」を搭載。処理と再生の経路を交互に切り替えることで、連続的かつ安定した除湿・加湿運転を実現します。
メーカー名 | クボタ空調株式会社 |
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所在地 | 東京都中央区京橋2-1-3 京橋トラストタワー |
電話番号 | 03-3245-3130 |
公式URL | https://kubota-airconditioner.co.jp/ |
ユニット内にヒートポンプを一体化し、室内空気(リタンエア)の熱回収と全熱交換によるダブル熱回収を採用。容量制御付きヒートポンプによる冷凍サイクルにより、年間を通じて高効率な運転が可能です。
メーカー名 | 昭和鉄工株式会社 |
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所在地 | 福岡県糟屋郡宇美町宇美3351-8 |
電話番号 | 092-933-6390(代表) |
公式URL | https://www.showa.co.jp/ |
ヒートポンプを内蔵した一体型デシカント外気処理機。全熱交換器とデシカントの組み合わせで外気の熱回収効率を高め、外部からの制御信号や夜間送風運転にも対応しています。
メーカー名 | 昭和鉄工株式会社 |
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所在地 | 福岡県糟屋郡宇美町宇美3351-8 |
電話番号 | 092-933-6390(代表) |
公式URL | https://www.showa.co.jp/ |
液体調湿剤の濃度と温度を高精度に制御できる製品です。製薬・食品加工・半導体関連など、湿度管理が品質に直結する製造現場において、安定した空調環境を構築します。
メーカー名 | ダイナエアー株式会社 |
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所在地 | 東京都千代田区神田錦町3-4-2 |
電話番号 | 03-3294-4566 |
公式URL | https://www.dyna-air.jp/ |
65〜70℃程度で再生可能な高分子収着剤を使用したデシカントローターを採用。ヒートポンプや工場排熱などの低温熱源を活用でき、現場の条件や既存設備に応じて多様な熱源に対応できます。
メーカー名 | 新晃工業株式会社 |
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所在地 | 大阪府大阪市北区南森町1-4-5 |
電話番号 | 06-6367-1811(代表) |
公式URL | https://www.sinko.co.jp/ |
ハニカム構造のローターにより、露点−90℃までの超低露点空気まで対応。水分や酸素の影響を受けやすい製造現場でも、歩留まりの向上や品質の安定化、製造コストの低減に貢献します。
メーカー名 | 株式会社西部技研 |
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所在地 | 福岡県古賀市青柳3108-3 |
電話番号 | 092-942-3511 |
公式URL | https://seibu-giken.com/ |
小型デシカント除湿機 EJ-DRYは、スーパーマーケットや食品工場で発生しやすい結露やカビの抑制に効果を発揮し、衛生環境の改善や設備修繕コストの削減に貢献します。コンパクトなサイズのデシカント空調です。
メーカー名 | 荏原実業株式会社 |
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所在地 | 東京都中央区銀座7-14-1 |
電話番号 | 03-5565-2881(代表) |
公式URL | https://www.ejk.co.jp/ |
菱熱工業の「ドライ・イット」は、コンデンス式の天吊型除湿機です。低温環境でも除湿性能を維持することが可能。コンパクトな設計により、天井からの設置も可能です。1台からのスモールスタートなど柔軟な導入を行うことができます。
メーカー名 | 菱熱工業株式会社 |
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所在地 | 東京都品川区北品川6-7-29 ガーデンシティ品川御殿山 |
電話番号 | 03-6456-4201 |
公式URL | https://www.ryonetsu.com/ |
東プレの「デシトップ」は、外部熱源不要のヒートポンプ式デシカント外気処理機で、省エネルギー運転が可能です。高精度湿度センサーと自動制御により室内の快適な湿度を維持し、全熱交換機能で効率的な空調環境を提供します。
メーカー名 | 東プレ株式会社 |
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所在地 | 東京都中央区日本橋3-12-2 |
電話番号 | 0574-53-2180 |
公式URL | https://www.topre.co.jp/ |
食品工場では、製品の品質保持や衛生管理の観点から温湿度のコントロールが重要です。特に低温エリアや外気を取り込む工程では、結露が発生しやすく、衛生管理体制を維持するには、結露を抑えて清浄な環境を保てる湿度制御が求められます。
病院では、快適な空気環境の確保や医療機器の安定稼働を支えるために、温湿度の的確な管理が求められます。とくに湿度は、空気中の粒子挙動や室内の清浄性に影響を及ぼす要因となるため、手術室や無菌調剤室など、エリアの用途に応じた制御が重要です。
倉庫や物流施設では、高湿度によるカビや錆、低湿度による静電気や乾燥などが保管品に悪影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクを抑えるには、外気の流入や気候の変動に左右されにくい、安定した庫内湿度の維持が重要です。
GMPに準拠した環境管理が求められる医薬品工場では、温度や湿度、空気中の粒子濃度などを安定して制御することが求められるケースがあります。デシカント空調は、再現性の高い空調環境の構築を支え、異物混入リスクの抑制や製品の品質維持に貢献します。
電子部品や半導体、光学機器などを扱う精密機器工場では、湿度の変動が製品不良や歩留まり低下の一因となります。静電気の発生や粉じんの付着を抑え、微細な湿度変化にも対応できる環境制御がポイントです。
デシカント空調の導入費用は、施設の規模や温湿度の要求精度、システム構成によって大きく異なります。特に製造業や研究施設では、高性能かつ複雑なシステムが必要とされるケースも多く、数百万円〜数千万円規模になることも。
導入コストの事例や、事前に押さえておきたいポイントを紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
デシカント空調は、経産省の省エネ補助金や環境省のSHIFT事業などの対象設備となる場合があり、導入費の一部に補助を受けられます。
代表的な補助金制度や実際の導入事例、申請の流れを見てみましょう。
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デシカント空調とは、空気中の湿度を効率的かつ精密に制御する空調方式です。医薬品工場や食品工場、美術館、精密機器倉庫など、高度な湿度管理が求められる現場で広く活用されています。
仕組みを詳しく知ることで、適切な方式や構成を検討できるようになります。
デシカント空調は、使用する吸湿材の状態によって乾式(固体吸湿材)と湿式(液体吸湿材)の2種類に大別されます。
除湿の仕組みや運用特性、導入コストなどが異なるため、適用される業種や施設条件もそれぞれ異なります。それぞれの方式の違いや特徴、導入事例をご確認ください。
湿度は空気環境の安定に関わる重要な要素です。デシカント空調は±5%程度の精度で相対湿度を制御でき、手術室や検査室など湿度管理が求められる空間にも対応可能。
一定の湿度を保つことで、快適で安定した室内環境の維持に貢献します。
透析クリニックでは、長時間滞在に向けた空間の快適性と安定した室内環境の維持が求められます。デシカント空調による湿度管理を行うことで、透析装置などの機器への影響を抑えた安定した空間づくりが可能です。
食品工場では、湿気や結露による環境の変化が、製品の品質や衛生管理に影響を与える恐れがあります。
デシカント空調で湿度を安定的に制御することで、通年を通じて製造空間の湿度環境を維持し、品質管理に貢献します。
食品製造の現場では、結露や湿気は品質や衛生管理に影響を与える要因となります。
業務用デシカント空調は、空気の流れを利用して湿度を制御し、天井裏や床下なども含めて空間全体の湿度を均一に保ちやすいのが特徴。安定した製造環境の維持を目的に導入されています。
GMP(適正製造基準)は本来医薬品向けの制度ですが、現在では食品や化粧品、健康食品などにも管理体制の導入が広がっています。
デシカント空調は、温湿度の制御に加え、湿度データの自動記録や通知機能により、品質管理をサポートします。