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食品製造の除湿と空間の品質維持を強化するデシカント空調

目次

食品製造現場では、結露や湿気は、製品の品質や製造環境の衛生管理に直結する重大なリスクとなります。業務用デシカント空調の導入により、高精度な湿度管理を通じて、清潔で安定した製造空間の構築が可能です。

ここでは、食品製造の現場における湿度管理の課題と、デシカント空調の有用性についてご紹介します。

食品製造現場に潜む
湿度と空間管理の
課題

製造工程や定期的な洗浄作業により、食品工場内では湿度が高くなりやすく、天井裏や壁面裏など目視しづらい箇所に湿気がこもりやすくなります。

このような環境は、カビや細菌などの微生物が好む条件を形成しやすく、清潔な空間維持に支障をきたします。

デシカント空調による食品製造現場への導入効果

適切な湿度維持が
もたらす効果

相対湿度60%以下の空間はカビや細菌類の増殖を抑えやすく、食品製造の現場を衛生的に保ちやすいといわれています(※)。デシカント空調は、吸湿材を用いた除湿技術で、季節を問わずこの湿度帯を維持しやすく、空調管理の効率化と環境衛生の向上に適しています。

構造内部にも波及する
湿度コントロール

空気の流れを利用したデシカント空調の湿度制御は、天井裏・壁面裏・床下など空気が滞留しやすい場所にも届き、室内の隅々まで湿度を均一に保ちやすいのが特徴です。

目に見えにくい構造内部の結露や湿気溜まりのリスクが低減し、カビの発生や建材の劣化など衛生面・設備面の課題予防につながります。

デシカント空調の除湿方式の違い

冷却除湿とデシカント除湿は、除湿方法が異なります。冷却除湿は、空気を露点以下に冷やすことで水分を結露させて取り除く方法で、冷房機能と併用しやすくコストも比較的抑えられるのが特徴です。

デシカント方式は、冷却設備では対応が難しい10℃以下の低温作業場や、露点温度5℃未満の環境など、湿度コントロールが難しい工程に適している方法です。温度と湿度を別々に管理する必要があるような精密な作業区域でも効果を発揮します。

目的に合わせた
適切なデシカント空調を選ぶ

食品製造工場をはじめ、現場や施設ごとに求められる湿度管理の条件はさまざまです。業種や用途に合ったデシカント空調の選定は、品質の管理や快適な作業環境づくり、省エネルギーの実現にもつながります。

このメディアでは、目的別に適したデシカント空調製品を紹介しています。

【目的で選ぶ】
おすすめのデシカント空調3選

デシカント空調による食品の湿度管理方法

油脂製品製造における
結露対策

バターのような油脂を含む食品は、結露が品質に影響を与える可能性があります。特に、包装ラインや製品一時保管中のトレイや金属ラック上など、製品が直接製造機器と接触する面にわずかでも水分が残留していると起きてしまうリスクが、風味や品質の劣化です。

デシカント空調で湿度をコントロールすると、食品と製造機器が直接触れる面だけでなく、空間全体の湿度を一定に保つことで、製品の風味や鮮度を長期間維持しやすくなります。

チーズ製造における
エリア別湿度制御

チーズの製造から保管の工程では、それぞれ適した湿度帯があります。例えば、一次熟成の工程では温度12~14℃、湿度95~98%(※)を維持しなければなりません。一方、二次熟成の工程では温度8~10℃、湿度90%前後(※)と、一次熟成より低い温度と湿度が必要です。

こうした異なる条件が求められる工程においても、デシカント空調ならゾーン単位で柔軟に対応できます。

洗浄後の湿度対応と
局所除湿

乳製品の製造ラインでは、設備の定期洗浄後に空気中の湿度が一時的に急上昇することがあります。特に、ステンレス製の機器周辺や冷却装置付近など、温度差がある箇所では結露が生じやすく、衛生リスクの要因となります。デシカント空調は、限定的なエリアに対してピンポイントで除湿を行う局所除湿機能を活用し、短時間で標準湿度に戻して、製造環境の衛生レベルを維持します。

食品製造工場への導入目的

食品工場では、湿度の変動が製品の品質や作業環境に大きく影響します。特に、湿気による品質劣化や設備への影響が懸念される製造現場では、安定した湿度管理が求められます。

湿式調湿方式のデシカント空調「カサバー」は、こうした課題に対応する空調ソリューションとして、粉体・調味料・乾燥食品・製糖・醸造などの製造現場に導入されています。

カサバーは、塩化リチウム水溶液(カセン溶液)を空調媒体として循環させることで、空気中の水分を吸収・放出しながら湿度を高精度にコントロール。一般的な冷却除湿方式のように空気を冷却して結露させるのではなく、空気を直接吸湿剤に通して除湿を行うため、低温環境でも凍結のリスクがなく、安定した運転が可能です。

参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/achievements/)

ティーネットジャパンの
デシカント空調
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食品製造工場への
導入設計のポイント

エリアごとの湿度設計

原材料庫、調理室、包装室など、製造工程に合わせてデシカント空調を設計するなら、作業時間帯、使用機器の熱や湿気の発生量、人の動線や出入り頻度なども考慮しましょう。例えば、頻繁に人が出入りする包装室では、扉の開閉による外気流入を考慮し、より高い除湿能力が求められるケースもあります。現場の運用に即した湿度設定が、より効果的な空調制御を実現します。

現場運用との
連携による湿度管理の
実効性向上

デシカント空調の性能を最大限に引き出すには、導入時に現場の作業手順や清掃ルール、機器の設置位置など、実際の運用フローと一体で計画することが不可欠です。

例えば、洗浄後の乾燥時間を確保できない運用スケジュールでは、湿度が下がりきらず結露や微生物の温床となるリスクがあります。また、人や物の動線と空気の流れがぶつかるレイアウトでは、除湿効果が届きにくくなる場合もあります。

現場ごとの作業フローや物理的環境を正確に把握したうえで空調設計に反映させることで、衛生性と作業効率の両立が図れます。

THREE SELECTIONS
目的に応じて選ぶ
デシカント空調製品おすすめ3選
チルド食品の冷却包装
向け
カサバー
カサバー

画像引用元:株式会社ティーネットジャパン公式HP
(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)

低温度帯での省エネ稼働と衛生管理

0℃付近で高い省エネ効率(乾式デシカント比約40%削減※1)を発揮し、低温環境での運用コストを大幅に削減。霜取り運転も不要なため安定した稼働が見込めます。

特殊溶液が結露・粉じんを抑え、製品トラブルを予防。除菌性(食塩水相当)により空気中の菌も除去※2し、HACCPにも対応可能です。

有機EL製造・開発環境
向け
ドライセーブSSP/SZP
ドライセーブSSP/SZP

画像引用元:株式会社西部技研公式HP
(https://seibu-giken.com/products/287/)

超低露点乾燥を実現する独自技術

機能性ハニカム構造を製造する技術と、特殊シリカゲルや合成ゼオライトを使用することにより、-90℃DPという超低露点に対応します。

クリーンブースの一体設計が可能。湿度制御の精度を高めることで、恒常的な超低湿制御が前提となる有機EL製造に対応できます。

冷蔵ショーケース結露対策
向け
カラットデシカント
カラットデシカント

画像引用元:日本特殊陶業公式HP
(https://niterra-air.com/)

営業を止めずに黒カビ・結露対策

天井埋め込み型なので店内の景観を損なわず、最短1日の夜間工事※3で設置が完了。営業への影響を抑えた導入が可能です。

独自開発の除湿素材を活用し、店内の湿度を40〜50%に保つことで、冷蔵ショーケースの曇りや結露の発生を抑えやすい空調環境を整えます。

※1 108.8kW→61.9kW 参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/files/products_kathabar/comparison_table.pdf)
※2 実証実験による結果。測定場所:某ビール工場 測定日時:1998年7月7日 測定機器:RCSエアーサンプラー(密閉状態で測定)
参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
※3 1台で約1日(スーパーマーケットの場合、閉店後~翌開店前まで)で設置可能。 参照元:日本特殊陶業株式会社公式HP(https://niterra-air.com/faq/)