ここでは、新晃工業が取り扱っているデシカント空調について、製品の特徴や導入事例などを紹介します。
新晃工業の主な製品には、潜熱・顕熱を分離し低温再生で高い除湿性能を発揮する「デシコンエアSDA型」、そよ風のようなそよやかな空気を送るチルドビーム「クライマトーン CM-P/A型」、産業用途向けに温水レベルの再生熱源で低露点環境を構築する「デシコンドライSDD型」があります。
通常の超低露点環境構築では、シリカゲルやゼオライト乾燥剤を用いて140℃以上の高温再生が必要で、ボイラーや電気ヒーターによる加熱でCO₂やNOxの排出が避けられず、ローター内温度差120℃以上による大きな熱損失が課題でした。
SDD型は65~70℃程度で再生可能な高分子収着剤を用いたデシカントローターを採用し、ヒートポンプや工場排熱のような低温熱源が利用できます。再生時の温度差が小さく熱損失を大幅に抑制できるため、最小限のエネルギー消費で安定した低露点(低湿度)環境を実現します。
SDD型は現場の条件や既存設備に応じて、さまざまな熱源を再生に活用できる点も大きな強みです。冷凍機と温水ヒートポンプを組み合わせる方式、冷温水同時取出ヒートポンプを用いた無駄のない冷水・温水活用、工場排熱を再生熱源とする排熱利用タイプ、太陽熱温水による再生熱源利用タイプなど、多様なシステム連携が可能です。
余剰熱を有効活用しながら運転コストを抑制し、安定的かつ効率的に低露点環境を維持できます。
除湿量(kg/h) | ー |
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対応空気量(m³/h) | ー |
最低到達露点(℃) | ー |
再生熱源の種類 | 冷熱源に冷凍機+加熱源に温水ヒートポンプ(熱源利用タイプ1) 冷温水同時取出ヒートポンプ(熱源利用タイプ2) 工場生産時排熱利用(排熱利用タイプ) 太陽熱で作った温水利用(太陽熱利用タイプ) |
デシカント媒体の材質 | 高分子収着剤 |
本体構造材の材質 | ー |
サイズ | ー |
デシコンドライSDD型は、65~70℃程度の低温で再生可能な高分子収着剤デシカントローターを採用し、140℃以上再生方式と比べてローター内の温度差を低減、熱損失を抑えつつ低露点環境を最小限のエネルギーで実現します。
冷凍機+温水ヒートポンプを組み合わせる「熱源利用タイプ1」、冷温水同時取出ヒートポンプを用いる「熱源利用タイプ2」、工場排熱利用や太陽熱利用タイプなど、様々な再生熱源と柔軟に連携可能で、工場や倉庫など産業施設での省エネルギー運転と安定した除湿性能を両立します。
デシコンドライSDD型の導入事例は見つかりませんでした(2025年5月20日時点)。
新晃工業のデシコンドライSDD型は、ヒートポンプや工場排熱などの低温熱源を活用しており、熱損失を抑えながら省エネルギーで安定した低露点環境を構築できます。さらに、冷温水ヒートポンプや太陽熱、排熱との連携も柔軟に対応でき、既存設備や余剰熱を活かした効率的な運用が可能です。
デシカント空調が求められる現場は多岐にわたり、目的に応じて必要とされる性能も異なります。自社に適切な製品を選ぶことで、品質維持や衛生管理の向上、コスト削減にもつながります。
このメディアでは、「チルド食品の冷却包装」「有機EL製造」「冷蔵ショーケースの結露対策」3つの目的別におすすめのデシカント空調をご紹介。導入を検討している方はぜひチェックしてください。
新晃工業は、1950年に業務用冷暖房機器の製造・販売を目的に設立され、現在は東証プライム市場に上場する空調機器専業メーカーです。
一般建築向けのものから業務用のものまで多彩な製品ラインアップを揃えており、工場や倉庫、公共施設など用途に応じた提案が可能です。堅牢な筐体設計と保守性にも配慮し、長期にわたる安定稼働を支援しています。
会社名 | 新晃工業株式会社 |
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設立 | 1950年6月16日 |
資本金 | 58億2,200万円 |
従業員数 | 単体699名、連結1,616名(2024年3月末時点) |
事業内容 | 空調機器の製造、販売 |
本社所在地 | 大阪府大阪市北区南森町1-4-5 |
TEL | 06-6367-1811(代表) |
公式サイト | https://www.sinko.co.jp/ |
画像引用元:株式会社ティーネットジャパン公式HP
(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
0℃付近で高い省エネ効率(乾式デシカント比約40%削減※1)を発揮し、低温環境での運用コストを大幅に削減。霜取り運転も不要なため安定した稼働が見込めます。
特殊溶液が結露・粉じんを抑え、製品トラブルを予防。除菌性(食塩水相当)により空気中の菌も除去※2し、HACCPにも対応可能です。
画像引用元:株式会社西部技研公式HP
(https://seibu-giken.com/products/287/)
機能性ハニカム構造を製造する技術と、特殊シリカゲルや合成ゼオライトを使用することにより、-90℃DPという超低露点に対応します。
クリーンブースの一体設計が可能。湿度制御の精度を高めることで、恒常的な超低湿制御が前提となる有機EL製造に対応できます。
画像引用元:日本特殊陶業公式HP
(https://niterra-air.com/)
天井埋め込み型なので店内の景観を損なわず、最短1日の夜間工事※3で設置が完了。営業への影響を抑えた導入が可能です。
独自開発の除湿素材を活用し、店内の湿度を40〜50%に保つことで、冷蔵ショーケースの曇りや結露の発生を抑えやすい空調環境を整えます。
※1 108.8kW→61.9kW 参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/files/products_kathabar/comparison_table.pdf)
※2 実証実験による結果。測定場所:某ビール工場 測定日時:1998年7月7日 測定機器:RCSエアーサンプラー(密閉状態で測定)
参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
※3 1台で約1日(スーパーマーケットの場合、閉店後~翌開店前まで)で設置可能。 参照元:日本特殊陶業株式会社公式HP(https://niterra-air.com/faq/)