クボタ空調のデシカント空調機器は、内部に乾燥剤ローターを組み込み、冷却・加熱・加湿・除湿・除塵を一体で行う点が特徴です。「調湿外気処理ユニット」や「VAV/CAVユニット」などの製品を展開しています。
ここでは、クボタ空調が取り扱っているデシカント空調について、製品の特徴や導入事例などを紹介します。
ユニットの中心にある吸放湿ブロックを90度回転して、空気の流れを切り替える「流路切り替え装置」を搭載しているのが特徴です。ユニット内には、外気を処理して室内へ送る経路と、吸放湿ブロックを再生(乾燥や加湿)する空気を通す経路があります。
吸放湿ブロックを一定時間ごとに回転し、処理と再生の役割を交互に切り替えることで、連続的かつ安定した除湿・加湿運転を可能にしているのです。
この製品は国立研究開発法人NEDOが推進する「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」の助成を受けて開発されました。吸放湿ブロックで除湿した後、再⽣可能エネルギーで冷却・再生できるのが特徴です(地中熱や太陽熱など)。
従来型(自社2013年度デシカント空調機)と比較して、年間消費電力を22%削減(※1)しています。省エネ技術の高さが評価され、2018年には空気調和・衛生工学会の「第56回 建築設備部門技術賞」を受賞しました(※2)。
除湿量(kg/h) | 8.27kg/h |
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対応空気量(m³/h) | 500m³/h |
最低到達露点(℃) | ー |
再生熱源の種類 | 温水(45~65℃)、太陽熱、地中熱、その他排熱など |
デシカント媒体の材質 | 高分子収着剤 |
本体構造材の材質 | ー |
サイズ | 幅2,150mm、奥行1,050mm、高さ450mm |
上記は「DHM-50C」モデルの仕様・性能です。特定の条件下(室外条件:34.9℃DB/55.7%RH、室内条件:28℃DB/40%RH時)で8.27kg/hという高い除湿量を実現します 。
機器の⾼さは450mmに抑えられているため、天井裏の限られたスペースにも設置可能。重量は従来型(自社2013年度デシカント空調機)より59%削減(※1)されており、小規模施設にも導入しやすい仕様となっています。
天吊型デシカント空調機「調湿外気処理ユニット」の導入事例は見つかりませんでした(2025年5月16日時点)。
吸放湿ブロックの回転によって処理と再生を交互に切り替える「流路切り替え装置」を搭載。これにより、連続的かつ安定した除湿・加湿運転を実現します。
デシカント空調が求められる現場は多岐にわたり、目的に応じて必要とされる性能も異なります。自社に適切な製品を選ぶことで、品質維持や衛生管理の向上、コスト削減にもつながります。
このメディアでは、「チルド食品の冷却包装」「有機EL製造」「冷蔵ショーケースの結露対策」3つの目的別におすすめのデシカント空調をご紹介。導入を検討している方はぜひチェックしてください。
産業用空調機器の開発からメンテナンスまで手掛けている企業です。1970年10月に久保田鉄工と米国トレーン社の合弁会社として設立されました。デシカント空調機の生産を始めたのは2001年から。
性能試験設備、音響試験室、環境試験室などを保有しており、新しい空調機の研究・開発に余念がありません。高層ビルやショッピングモール、データセンター、半導体工場など、大規模な施設に空調機を納入している実績があります。
会社名 | クボタ空調株式会社 |
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設立 | 1970年10月 |
資本金 | 4億円 |
従業員数 | 350名(2025年1月1日時点) |
事業内容 | 産業用空調機器の開発/製造/販売/メンテナンス |
本社所在地 | 東京都中央区京橋2-1-3 京橋トラストタワー |
TEL | 03-3245-3130 |
公式サイト | https://kubota-airconditioner.co.jp/ |
画像引用元:株式会社ティーネットジャパン公式HP
(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
0℃付近で高い省エネ効率(乾式デシカント比約40%削減※1)を発揮し、低温環境での運用コストを大幅に削減。霜取り運転も不要なため安定した稼働が見込めます。
特殊溶液が結露・粉じんを抑え、製品トラブルを予防。除菌性(食塩水相当)により空気中の菌も除去※2し、HACCPにも対応可能です。
画像引用元:株式会社西部技研公式HP
(https://seibu-giken.com/products/287/)
機能性ハニカム構造を製造する技術と、特殊シリカゲルや合成ゼオライトを使用することにより、-90℃DPという超低露点に対応します。
クリーンブースの一体設計が可能。湿度制御の精度を高めることで、恒常的な超低湿制御が前提となる有機EL製造に対応できます。
画像引用元:日本特殊陶業公式HP
(https://niterra-air.com/)
天井埋め込み型なので店内の景観を損なわず、最短1日の夜間工事※3で設置が完了。営業への影響を抑えた導入が可能です。
独自開発の除湿素材を活用し、店内の湿度を40〜50%に保つことで、冷蔵ショーケースの曇りや結露の発生を抑えやすい空調環境を整えます。
※1 108.8kW→61.9kW 参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/files/products_kathabar/comparison_table.pdf)
※2 実証実験による結果。測定場所:某ビール工場 測定日時:1998年7月7日 測定機器:RCSエアーサンプラー(密閉状態で測定)
参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
※3 1台で約1日(スーパーマーケットの場合、閉店後~翌開店前まで)で設置可能。 参照元:日本特殊陶業株式会社公式HP(https://niterra-air.com/faq/)