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デシカント空調の仕組み・原理を徹底解説

目次

湿度管理は、製品品質の安定や結露の防止、空間環境の維持に欠かせません。特に、低湿度が求められる製造工程や、結露リスクのある倉庫、快適性が重視される商業施設では、従来の空調システムだけでは対応が難しいケースも見られます。

こうした環境での湿度制御に対応する技術が「デシカント空調」です。デシカント空調とは、シリカゲルやゼオライト、高分子収着材などの吸湿剤を使い、空気中の水分を取り除いて湿度を制御する空調方式を指します。

空気を露点以下まで冷却して結露させる冷却除湿とは異なり、吸湿剤によって水分を吸着・脱着する点が特徴です。実際の空調システムでは、除湿後の空気温度を整えるために、冷却コイルやヒートポンプ、顕熱交換器などと組み合わせて使用されることもあります。

デシカント空調は、低湿度・低露点環境が必要な工場や倉庫だけでなく、潜熱と顕熱を分けて処理したい一般空調、省エネ性を高めたい商業施設などでも導入が検討されています。

そもそも
「湿度」とは何か

湿度とは、空気中の水蒸気の含有量を示す指標です。一般的に使われる「湿度」は相対湿度を意味し、これは空気中に含まれる水蒸気量が、同温度での最大保持量(飽和水蒸気量)に対してどれくらいの割合かを示します。

温度が上がると飽和水蒸気量も増えるため、同じ水蒸気量でも温度によって相対湿度は変動します。例えば、空気中の水分量が同じでも、温度が上がると相対湿度は下がり、温度が下がると相対湿度は上がります。

これに対して絶対湿度は、乾いた空気1kgあたりの水蒸気量(g)で示され、温度に依存せず空気中に存在する水蒸気の「絶対量」を示す指標です。デシカント空調は、この絶対湿度を直接的に減少させることで湿度を制御するシステムになります。

露点温度も
湿度管理の重要な指標

湿度管理では、相対湿度や絶対湿度に加えて露点温度も重要な指標になります。露点温度とは、空気中の水蒸気が結露し始める温度のことです。

相対湿度は温度によって変化しますが、露点温度は空気中に含まれる水分量を把握する指標として使われます。特に、リチウムイオン電池や電子部品、医薬品、粉体原料など、水分を嫌う製造工程では、単に「何%RHか」だけでなく、何℃DPまで下げられるかが設備選定の重要な判断材料になります。

デシカント空調の
基本原理

吸湿剤(デシカント)による水分吸着

デシカント空調の核となる技術は、水分を吸着する性質を持つ吸湿剤の利用です。シリカゲルやゼオライト、高分子吸着材などが使われ、これを含む構造体に湿った空気を通過させることで、空気中の水分を物理的に取り除きます。

冷却除湿のように空気を露点以下まで冷やして水分を結露させるのではなく、吸湿剤に水分を吸着させるため、温度条件の影響を受けにくく、低温環境や低湿度領域でも湿度制御しやすい点が特徴です。

ローターが回転し、
吸湿と再生を繰り返す仕組み

吸湿剤を塗布・固定したデシカントローターは、ハニカム状の構造で構成され、緩やかに回転します。ローターの一部では処理空気から水分を吸着し、残りの部分では高温の再生空気を通して吸湿剤から水分を放出させます。

この吸湿と再生のサイクルが連続的に行われることで、安定した除湿性能が維持されます。処理側で除湿された空気は、用途に応じてそのまま供給されたり、後段の冷却・加熱・加湿装置で温湿度を調整したうえで室内や工程に送られたりします。

再生熱の利用による
エネルギー循環の工夫

再生プロセスには熱エネルギーが必要ですが、50~80℃の比較的低温域で再生できるタイプもあり、工場排熱やヒートポンプ由来の熱、太陽熱、温水などを活用しやすい点が特徴です。

特に、廃熱や低温熱を有効利用できる現場では、再生に必要なエネルギーを抑えながら湿度制御を行える可能性があります。デシカント空調は常に省エネになるわけではありませんが、熱源や既存設備との組み合わせを適切に設計することで、エネルギー使用量の抑制や運用コストの低減が期待できます。

デシカント空調と
冷却除湿方式の違い

冷却除湿方式は
空気を冷やして水分を除去する

一般的な冷却除湿方式では、空気を露点温度以下に冷却し、結露によって水分を除去します。この方法では、空気の温度と水分量を同時に下げるため、湿度を下げたいだけの場合でも必要以上に冷却が行われることがあります。

その後、室内の温度条件に合わせるために再加熱が必要になるケースもあり、冷却と再熱の両方にエネルギーを使う点が課題になります。

デシカント方式は
水分を吸着して除湿する

一方、デシカント方式では、吸湿剤によって空気中の水分を選択的に取り除くことができます。温度処理と湿度処理を分けやすいため、必要な湿度条件に合わせた制御を行いやすい点が特徴です。

ただし、デシカントローターを通過した空気は、吸着熱などの影響で温度が上がる場合があります。そのため、快適空調や一定温度が求められる工程では、後段の冷却装置や顕熱交換器と組み合わせて温度を調整します。

冷却除湿・再熱除湿・
デシカント空調の比較

項目 冷却除湿 再熱除湿 デシカント空調
除湿方法 空気を冷やして結露させる 冷却除湿後に再加熱する 吸湿剤で水分を吸着・脱着する
低湿度対応 限界がある 対応できるがエネルギー負荷が増えやすい 低湿度・低露点に対応しやすい
温湿度制御 温度と湿度が連動しやすい 温度調整はしやすいが再熱が必要 温度と湿度を分けて制御しやすい
主な課題 過冷却、結露、除湿限界 再熱エネルギーの増加 再生熱源、送風動力、設計条件の確認
向いている用途 一般的な空調除湿 温度を保ちながら除湿したい空間 工場、倉庫、低露点環境、潜顕分離空調

デシカント空調の
メリット

低湿度・低露点環境を
つくりやすい

デシカント方式は、吸湿剤の物理吸着を利用して水分を取り除くため、冷却除湿では対応しにくい低湿度領域にも対応しやすい方式です。特に、相対湿度20~30%RHのような低湿環境や、露点温度を基準に管理する製造工程で効果を発揮します。

電子部品、電池、医薬品、粉体、フィルム、精密機器など、水分の混入や吸湿が品質に影響する現場では、デシカント空調による安定した湿度管理が重要になります。

寒冷地や冷室でも
除湿性能を発揮しやすい

冷却方式では、低温環境になるほど除湿能力が低下したり、コイルの凍結や霜付きが問題になったりする場合があります。一方、デシカント方式は吸湿剤を利用するため、寒冷地や冷蔵倉庫、低温作業室でも湿度管理を行いやすい点が特徴です。

冷蔵・冷凍倉庫では、外気の侵入や扉の開閉によって結露や霜付きが発生しやすくなります。デシカント空調で空気中の水分量を低減することで、床面・天井・商品・設備への結露リスクを抑える効果が期待できます。

潜熱と顕熱を
分けて処理しやすい

空調負荷には、温度を下げるための顕熱負荷と、水分を取り除くための潜熱負荷があります。従来の冷却除湿では、冷却コイルで温度と湿度をまとめて処理するため、過冷却や再熱が発生しやすくなります。

デシカント空調では、湿度処理をデシカントローターが担い、温度処理を冷却コイルやヒートポンプなどが担うことで、潜熱と顕熱を分けて制御できます。これにより、必要以上に空気を冷やさず、湿度を重点的に処理する設計が可能になります。

排熱や低温熱を
活用できる場合がある

デシカントローターの再生には熱が必要ですが、低温再生型のデシカント空調であれば、工場排熱、温水、ヒートポンプ、太陽熱などの利用を検討できます。

すでに熱源設備を保有している工場や、排熱が発生している施設では、未利用熱を再生エネルギーとして活用できる可能性があります。これにより、湿度制御と省エネルギーの両立を図りやすくなります。

デシカント空調が
適している用途

食品工場での吸湿・固結・
カビ対策

粉体原料、乾燥食品、菓子、調味料、包装材などは、空気中の水分を吸収することで固結や品質劣化が起こる場合があります。また、湿度が高い環境ではカビや微生物の発生リスクも高まります。

デシカント空調により絶対湿度を下げることで、吸湿によるトラブルやカビの発生リスクを抑えやすくなります。特に、包装工程や保管工程では、製品の品質安定や歩留まり改善に貢献します。

医薬品工場での
原料・製品の品質維持

医薬品や化学品の製造では、粉体原料や錠剤、カプセル、包装材などが水分の影響を受けることがあります。湿度が安定しない環境では、原料の流動性低下、固結、重量変化、品質ばらつきなどが発生する可能性があります。

デシカント空調を導入することで、製造室や保管室の湿度を一定に保ちやすくなり、品質管理の安定化に役立ちます。GMPなどの管理環境では、温湿度条件を継続的に維持できる設備設計が重要です。

リチウムイオン電池・
電子部品工場での低露点管理

リチウムイオン電池や電子部品など、水分を嫌う製造工程では、相対湿度だけでなく露点温度を基準に空気環境を管理することがあります。水分が製品性能や安全性に影響する工程では、低露点環境の維持が重要です。

デシカント空調は低湿度・低露点領域に対応しやすいため、ドライルームや精密製造工程における湿度制御方式として検討されます。

冷蔵・冷凍倉庫での
結露・霜付き対策

冷蔵倉庫や冷凍倉庫では、扉の開閉や外気流入により、空気中の水分が冷却面で結露・凍結しやすくなります。結露や霜付きは、商品品質の低下、床面の滑り、設備トラブル、デフロスト回数の増加につながることがあります。

デシカント空調で外気や室内空気の水分量を低減することで、結露や霜付きの発生を抑え、庫内環境の安定化や保守負担の軽減が期待できます。

商業施設・オフィスでの
快適性と省エネ

商業施設やオフィスでは、温度だけでなく湿度も快適性に大きく影響します。湿度が高いと蒸し暑さやカビの発生につながり、湿度が低すぎると乾燥感が強まります。

デシカント空調を活用すると、温度と湿度を分けて制御しやすくなるため、快適性を保ちながら空調負荷の低減を図れる場合があります。外気処理や換気負荷が大きい建物では、潜熱処理の効率化が省エネのポイントになります。

デシカント空調の
主な種類

ソリッドデシカント方式

ソリッドデシカント方式は、シリカゲル、ゼオライト、高分子吸着材などの固体吸湿剤を用いる方式です。デシカントローターに吸湿剤を担持させ、回転させながら吸湿と再生を繰り返します。

工場、倉庫、商業施設、一般空調など幅広い用途で使われており、デシカント空調といった場合には、このローター式のソリッドデシカント方式を指すことが多くあります。

液体デシカント方式

液体デシカント方式は、吸湿性を持つ液体を使って空気中の水分を取り除く方式です。液体と空気を接触させることで除湿を行い、吸湿した液体は加熱などによって再生します。

湿度制御だけでなく、空気中の一部成分の除去や熱回収と組み合わせたシステムも検討されますが、液体の管理や装置構成が複雑になるため、用途や運用条件に応じた検討が必要です。

低温再生型デシカント空調

低温再生型デシカント空調は、比較的低い温度の熱で吸湿剤を再生できる方式です。従来よりも低温の温水や排熱を活用しやすく、ヒートポンプや太陽熱、工場排熱との組み合わせが検討されます。

再生熱源を効率よく確保できる場合、ランニングコストの低減やCO2排出削減につながる可能性があります。

ヒートポンプデシカント空調

ヒートポンプデシカント空調は、ヒートポンプで得られる温熱や冷熱を活用し、除湿・加湿・温度調整を効率的に行う方式です。

デシカントによる湿度制御とヒートポンプによる熱移動を組み合わせることで、除湿時に回収した水分を加湿に利用するなど、給排水設備の簡素化や省エネ化につなげられる場合があります。

主要構成要素と
その役割

デシカントローター

吸湿と再生を繰り返す役割を担う円筒状の部品です。表面積や通風抵抗、回転速度、吸湿剤の種類などの仕様が性能に大きく影響します。

用途や必要な除湿量、目標湿度、目標露点、処理風量に応じて、適切なローター径や厚み、回転速度、吸湿材を選定する必要があります。

再生ヒーター

吸湿剤に蓄えられた水分を放出させるための加熱装置です。電気、蒸気、ガス、温水、廃熱など、さまざまな熱源を活用できます。

再生温度や熱源の種類は、ランニングコストや省エネ性に大きく影響します。既存のボイラーや排熱、ヒートポンプと組み合わせられるかどうかも重要な確認ポイントです。

ファン・送風経路

処理空気および再生空気を搬送する経路とファンの設計も、システム全体の性能を左右する要素です。風量や風速、静圧、ダクト抵抗のバランスを最適化することで、消費電力の抑制や除湿効率の向上が図れます。

デシカント空調では、処理側と再生側で空気経路が必要になるため、機械室スペースやダクトルート、給排気の取り方も含めて検討することが大切です。

冷却コイル・加熱コイル・
顕熱交換器

デシカントローターで除湿された空気は、吸着熱によって温度が上昇することがあります。そのため、室内に供給する前に冷却コイルや顕熱交換器で温度を調整する場合があります。

また、冬季や低温環境では、加熱コイルと組み合わせて温度を調整することもあります。湿度だけでなく、温度条件も同時に満たすためには、これらの補助機器との連携設計が重要です。

補助冷却または
加湿装置との連携例

温度補正のための冷却装置や、必要に応じた加湿装置と連動させることで、細かく温度と湿度を調整することが可能です。除湿後の空気は若干加温されるため、後段での冷却や加湿との組み合わせにより、室内の設定環境に合わせた空気の状態を得られます。

ヒートポンプとの
連携による無給水加湿

ヒートポンプと組み合わせたデシカント空調では、除湿時に回収した水分を再利用して加湿を行う無給水加湿が可能です。

例えばダイキンのヒートポンプデシカントは、再生用の熱エネルギーをヒートポンプから供給し、加湿に使用する水も除湿過程で得たものを活用するため、外部からの給水を必要としません。給排水設備の簡素化やエネルギー使用量の削減につながり、湿度の安定制御が期待できます。

ダイキンの
デシカント空調
について詳しく見る

気化式加湿器との
組み合わせによる省エネ化

気化式加湿器は水を蒸発させることで加湿を行う方式であり、蒸気式と比較して消費エネルギーを抑えられる点が特徴です。

大塚製薬徳島板野工場では、蒸気を使用しない加湿を目的に、気化式加湿器とヒートポンプチラーを組み合わせた空調システムを導入。元々は100m以上離れた設備から蒸気を長距離で送っていたため、送気ロスや配管放熱によるエネルギー損失が課題となっていました。

新システム導入後は、電気による加湿に切り替えたことで蒸気設備が不要になり、省エネ性とCO2排出削減の両立を実現しています。

参照元:日本エレクトロヒートセンター公式HP(PDF)(https://jeh-center.org/asset/00032/monoden_stock/202409_otsuka_ph.pdf)

デシカント空調の
デメリットと注意点

再生熱源の確保が必要

デシカント空調では、吸湿剤に吸着した水分を放出させるために再生熱が必要です。電気ヒーター、蒸気、ガス、温水、排熱などの熱源をどのように確保するかによって、ランニングコストや省エネ性が大きく変わります。

導入前には、既存設備から利用できる排熱があるか、ヒートポンプを活用できるか、ボイラーや蒸気設備と接続できるかを確認しておくことが重要です。

送風動力が増える場合がある

デシカント空調では、処理空気と再生空気の2系統の空気流路が必要になる場合があります。そのため、一般的な空調システムと比べて、ファン動力やダクト設計の影響が大きくなることがあります。

風量、静圧、ダクト長、フィルター抵抗、ローターの圧力損失などを適切に設計しないと、想定よりも消費電力が増える可能性があります。

除湿後の空気温度に
注意が必要

デシカントローターで除湿された空気は、吸着熱の影響で温度が上がる場合があります。低湿度だけでなく、一定の室温も求められる場合には、後段冷却や顕熱交換器との組み合わせが必要です。

特に、作業者がいる空間や、製品温度に制約がある工程では、湿度条件だけでなく温度条件も含めた空気線図上の検討が求められます。

初期費用と投資回収の
確認が必要

デシカント空調は、ローター、再生ヒーター、送風機、制御機器、冷却・加熱装置などで構成されるため、一般的な空調機よりも初期費用が高くなる場合があります。

導入を検討する際は、単純な設備費だけでなく、結露対策、カビ対策、不良率低減、歩留まり改善、デフロスト削減、再熱エネルギー削減など、現場全体で得られる効果を含めて投資判断を行うことが重要です。

メンテナンス性も確認する

デシカントローターやフィルター、ファン、ヒーター、制御機器は、継続的なメンテナンスが必要です。粉じん、油分、薬品ガスなどが多い環境では、吸湿材の性能低下や目詰まりに注意する必要があります。

導入時には、フィルター交換、ローター点検、清掃、部品交換、保守体制、運転データの監視方法まで確認しておくと安心です。

デシカント空調を
選定する際の確認項目

デシカント空調は、用途や運用条件によって最適な構成が変わります。導入前には、以下の項目を整理しておくことで、設備選定やメーカーへの相談がしやすくなります。

  • 必要な室内温度・相対湿度
  • 目標とする絶対湿度・露点温度
  • 処理風量・外気導入量・換気量
  • 室内の発湿量、人員、製造工程からの水分発生量
  • 稼働時間、季節変動、ピーク負荷
  • 利用できる熱源、排熱、蒸気、温水、ヒートポンプの有無
  • 既存空調機、チラー、ボイラーとの接続可否
  • ダクトスペース、機械室スペース、給排気経路
  • 除湿後に冷却・加熱・加湿が必要か
  • フィルター、ローター、ヒーターのメンテナンス性
  • 電力、ガス、蒸気、水使用量を含めたランニングコスト
  • 製品品質改善、歩留まり向上、結露・カビ対策による効果

特に、低露点環境やクリーンルーム、冷蔵倉庫などでは、単に除湿能力だけでなく、温度条件、空気清浄度、圧力制御、搬送動力、保守性まで含めて総合的に検討する必要があります。

デシカント空調の
導入判断で押さえるポイント

デシカント空調の構造や特性を理解することで、必要な湿度レベルや運用温度エネルギー源の確保状況既存設備との適合性といった導入条件を踏まえた上で、適切な方式や構成を検討できるようになります。

導入判断では、単に「除湿できるか」だけでなく、以下のような視点を持つことが重要です。

  • 冷却除湿では目標湿度や露点に届かないか
  • 過冷却や再熱によるエネルギーロスが発生していないか
  • 結露、霜付き、カビ、吸湿による不良が発生していないか
  • 排熱や温水など、再生に使える熱源があるか
  • 温度と湿度を分けて制御する必要があるか
  • 既存設備との組み合わせで省エネ化できるか

設備の構成や運用条件は現場によって異なるため、目的に合致したシステム設計を行いましょう。

デシカント空調に関する
よくある質問

デシカント空調と除湿機の違いは何ですか?

除湿機は、室内や特定空間の湿度を下げるための単体機器として使われることが多いのに対し、デシカント空調は、外気処理、換気、温湿度制御、既存空調との連携まで含めて設計される空調システムです。

産業用途では、必要な露点温度、処理風量、再生熱源、室内負荷、稼働時間に応じて、機器構成や制御方法を設計します。

デシカント空調は
夏だけ使う設備ですか?

デシカント空調は、夏季の高湿度対策だけでなく、年間を通じた湿度安定化にも使われます。食品・医薬品・電池・電子部品などの製造工程では、季節に関係なく一定の湿度や露点を維持する必要があります。

また、ヒートポンプと組み合わせたタイプでは、除湿だけでなく加湿や外気処理にも活用できる場合があります。

デシカント空調は
省エネになりますか?

デシカント空調は、条件が合えば省エネ化につながります。ただし、すべての現場で必ず省エネになるわけではありません。

省エネ効果が出やすいのは、冷却除湿と再熱によるエネルギーロスが大きい場合、排熱や低温熱を再生に活用できる場合、潜熱と顕熱を分けて効率よく処理できる場合などです。導入時には、初期費用だけでなくランニングコストや品質改善効果も含めて比較することが重要です。

デシカント空調の
導入費用は高いですか?

デシカント空調は、ローター、再生ヒーター、ファン、制御装置、冷却・加熱装置などを組み合わせるため、一般的な空調機より初期費用が高くなる場合があります。

一方で、結露やカビ、不良品、デフロスト、再熱エネルギー、蒸気使用量などを削減できる場合は、トータルコストでメリットが出ることもあります。導入前には、設備費、運転費、保守費、品質改善効果を含めて検討しましょう。

低温再生型デシカント空調とは何ですか?

低温再生型デシカント空調とは、比較的低い温度の熱で吸湿剤を再生できるデシカント空調です。工場排熱、温水、ヒートポンプ、太陽熱などを活用しやすく、省エネ性を高めたい施設で検討されます。

再生に必要な温度や使用できる熱源は製品やシステムによって異なるため、現場で利用できる熱源条件とあわせて確認することが大切です。

まとめ

デシカント空調は、吸湿剤を用いて空気中の水分を取り除く空調方式です。冷却除湿では対応しにくい低湿度・低露点環境に対応しやすく、食品工場、医薬品工場、電池・電子部品工場、冷蔵倉庫、商業施設など、幅広い現場で活用が検討されています。

一方で、再生熱源の確保、送風動力、除湿後の温度調整、初期費用、メンテナンス性など、導入前に確認すべきポイントもあります。

デシカント空調を検討する際は、必要な湿度や露点、既存設備との適合性、利用できる熱源、運用コスト、品質改善効果を整理したうえで、現場に合ったシステムを選定することが重要です。

THREE SELECTIONS
目的に応じて選ぶ
デシカント空調製品おすすめ3選
チルド食品の冷却包装
向け
カサバー
カサバー

画像引用元:株式会社ティーネットジャパン公式HP
(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)

低温度帯での省エネ稼働と衛生管理

0℃付近で高い省エネ効率(乾式デシカント比約40%削減※1)を発揮し、低温環境での運用コストを大幅に削減。霜取り運転も不要なため安定した稼働が見込めます。

特殊溶液が結露・粉じんを抑え、製品トラブルを予防。除菌性(食塩水相当)により空気中の菌も除去※2し、HACCPにも対応可能です。

有機EL製造・開発環境
向け
ドライセーブSSP/SZP
ドライセーブSSP/SZP

画像引用元:株式会社西部技研公式HP
(https://seibu-giken.com/products/287/)

超低露点乾燥を実現する独自技術

機能性ハニカム構造を製造する技術と、特殊シリカゲルや合成ゼオライトを使用することにより、-90℃DPという超低露点に対応します。

クリーンブースの一体設計が可能。湿度制御の精度を高めることで、恒常的な超低湿制御が前提となる有機EL製造に対応できます。

冷蔵ショーケース結露対策
向け
カラットデシカント
カラットデシカント

画像引用元:日本特殊陶業公式HP
(https://niterra-air.com/)

営業を止めずに黒カビ・結露対策

天井埋め込み型なので店内の景観を損なわず、最短1日の夜間工事※3で設置が完了。営業への影響を抑えた導入が可能です。

独自開発の除湿素材を活用し、店内の湿度を40〜50%に保つことで、冷蔵ショーケースの曇りや結露の発生を抑えやすい空調環境を整えます。

※1 108.8kW→61.9kW 参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/files/products_kathabar/comparison_table.pdf)
※2 実証実験による結果。測定場所:某ビール工場 測定日時:1998年7月7日 測定機器:RCSエアーサンプラー(密閉状態で測定)
参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
※3 1台で約1日(スーパーマーケットの場合、閉店後~翌開店前まで)で設置可能。 参照元:日本特殊陶業株式会社公式HP(https://niterra-air.com/faq/)