高度な湿度管理を可能にするデシカント空調ですが、精密な機器である以上、長期間の使用における故障のリスクはゼロではありません。
「もし導入後に故障したらどうしよう」「どんな症状が出たら注意すべき?」といった不安は、導入を検討する担当者様にとって当然の懸念事項です。
この記事では、デシカント空調でよく見られる故障の症状をパターン別に分け、それぞれの原因と一般的な修理対応例、費用の目安までを詳しく解説します。
故障のサインを早期に発見し適切に対応することはもちろん、故障リスクそのものを低減するための「賢い製品選び」のヒントもあわせてご確認ください。
デシカント空調の不具合は、様々な症状として現れます。ここでは代表的な症状と、その裏に潜む原因を探ります。自社でのトラブル発生時や、導入前のリスク把握にお役立てください。
最も多くみられる症状です。設定した湿度に到達しない、または到達するまでに異常に時間がかかる場合は、以下の原因が考えられます。
「ゴー」「カラカラ」「キー」といった普段とは違う音や、本体の異常な振動は、内部の機械的なトラブルのサインです。
操作パネルやリモコンにエラーコードが表示され、運転が停止する状態です。エラーコードは原因を特定する重要な手がかりになります。
供給される空気から普段とは違う臭いがする場合、衛生上の問題や重大な故障の可能性があります。
電源スイッチを入れても反応がない、または運転開始後すぐに停止してしまう症状です。
実際に不具合が発生した場合、どのように対応すればよいのでしょうか。初期対応から修理費用の目安までを解説します。
慌てず、以下の手順で状況を確認・連絡することが重要です。
修理費用は、故障箇所や機種によって大きく変動します。以下はあくまで一般的な目安としてご参照ください。
※上記は部品代と作業費を含んだ概算費用です。年式や設置状況によって変動するため、正確な費用は必ず専門業者からの見積もりを取得してください。
高額な修理費用や生産ラインの停止といった事態を避けるためには、故障が発生してから対応するのではなく、故障させないための「予防」が不可欠です。
これまで見てきた故障原因の多くは、専門家による定期メンテナンスで予防、または本格的な故障に至る前に早期発見が可能です。
フィルターの清掃・交換、駆動ベルトの張り調整、センサー類の動作確認といった地道なメンテナンスが、結果的に高額な修理費や生産機会の損失を防ぐ最も効果的でコストパフォーマンスの高い投資と言えます。
【あわせて読みたい】
故障予防に不可欠なメンテナンスについて、より詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
専門業者による点検と合わせて、日々の運用担当者様によるチェックも重要です。「いつもより音が大きい」「最近湿度が下がるのに時間がかかる」といった普段との違いにいち早く気づくことが、トラブルの早期発見に繋がります。簡単な運転日報などで日々の温湿度や運転音の状況を記録しておくことも有効な手段です。
ここまで故障の症状や対策を解説してきましたが、担当者様に最もお伝えしたい、最も効果的な対策があります。それは「そもそも故障しにくく、信頼性の高い製品を選ぶこと」、そして「万が一の際に迅速に対応してくれるメーカー・業者を選ぶこと」です。
製品の耐久性や使用されている部品の品質は、メーカーによって様々です。また、粉塵が多い工場や腐食性ガスが発生する環境など、設置場所に合わない機種を選んでしまえば、どんなに優れた製品でも故障のリスクは格段に上がります。
導入後に「故障が頻発して生産が止まる…」「修理を依頼しても対応が遅く、話が伝わらない…」といった事態を避けるためには、自社の使用目的や設置環境を深く理解し、最適な機種と信頼できる保守体制を提案してくれるパートナーを選ぶことが何よりも重要なのです。
当メディア「KARADESI」では、様々な用途に対応したデシカント空調製品や、実績のあるメーカーをご紹介しています。長期的な安定稼働を実現するために、ぜひ製品選びの参考にしてください。
デシカント空調の故障は、「湿度が下がらない」「異音」といった様々な症状として現れます。多くの場合、その原因は消耗品の劣化や汚れであり、定期的なメンテナンスで予防することが可能です。
しかし、長期的な視点で見ると、故障リスクを根本から低減するためには、導入前の「自社の目的に合った信頼性の高い製品選び」と「信頼できる業者選び」が最も重要です。
導入を検討する際は、初期費用だけでなく、製品の耐久性やメーカーのサポート体制も重要な選定基準に加え、安心して長く使える一台を選びましょう。
画像引用元:株式会社ティーネットジャパン公式HP
(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
0℃付近で高い省エネ効率(乾式デシカント比約40%削減※1)を発揮し、低温環境での運用コストを大幅に削減。霜取り運転も不要なため安定した稼働が見込めます。
特殊溶液が結露・粉じんを抑え、製品トラブルを予防。除菌性(食塩水相当)により空気中の菌も除去※2し、HACCPにも対応可能です。
画像引用元:株式会社西部技研公式HP
(https://seibu-giken.com/products/287/)
機能性ハニカム構造を製造する技術と、特殊シリカゲルや合成ゼオライトを使用することにより、-90℃DPという超低露点に対応します。
クリーンブースの一体設計が可能。湿度制御の精度を高めることで、恒常的な超低湿制御が前提となる有機EL製造に対応できます。
画像引用元:日本特殊陶業公式HP
(https://niterra-air.com/)
天井埋め込み型なので店内の景観を損なわず、最短1日の夜間工事※3で設置が完了。営業への影響を抑えた導入が可能です。
独自開発の除湿素材を活用し、店内の湿度を40〜50%に保つことで、冷蔵ショーケースの曇りや結露の発生を抑えやすい空調環境を整えます。
※1 108.8kW→61.9kW 参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/files/products_kathabar/comparison_table.pdf)
※2 実証実験による結果。測定場所:某ビール工場 測定日時:1998年7月7日 測定機器:RCSエアーサンプラー(密閉状態で測定)
参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
※3 1台で約1日(スーパーマーケットの場合、閉店後~翌開店前まで)で設置可能。 参照元:日本特殊陶業株式会社公式HP(https://niterra-air.com/faq/)