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デシカント空調にかかるランニングコスト

目次

デシカント空調は、湿度を直接コントロールできるため、結露・カビ対策や品質維持が求められる現場で評価されています。一方で、導入後のランニングコスト(光熱費・保守費)は導入判断の重要項目です。

本ページでは、ランニングコストの内訳、光熱費削減のメカニズム、費用を左右する条件、そして「目的に応じて選ぶ」ことの重要性を解説します。最後に用途別の訴求コンテンツへ遷移できる導線も用意しています。

ランニングコストの基本構造

デシカント空調(除湿ローター方式)のランニングコストは概ね以下の合計で構成されます。

  • 電力費(送風機・再生用ファン・制御機器・ポンプ等)
  • 再生熱源エネルギー費(電気ヒーター/ガス/蒸気/温水・廃熱 等)
  • 補助空調の電力費(顕熱処理側のEHP/GHPやチラー等)
  • フィルター交換・点検などの保守費

簡易計算の考え方

月次の概算は次式で把握します(目安)。

月間ランニングコスト = (消費電力量[kWh] × 電力単価) + (再生熱源使用量 × 単価) + 保守費(月割)

ここでの再生熱源は、ローターの吸湿材を乾かすために必要な熱。設計次第で廃熱・排熱・温水を活用できれば、一次エネルギー購入量を抑えられます。

光熱費削減が見込める理由

従来の空調は「冷却で除湿→必要に応じて再加熱」となりがちです。デシカント空調は、湿度(潜熱)と温度(顕熱)の役割分担が可能です。

  • 潜熱処理をデシカントで担当(過度な過冷却を回避)
  • 顕熱処理をEHPやチラー等で最適化
  • 再生熱源に低品位熱や廃熱を活用

同一の露点・湿度目標に対して、従来の「冷却除湿+再加熱」よりもトータル投入エネルギーを低減できるケースがあります。

コストを左右する主要因

1) 目標湿度・露点と必要風量

要求が厳しいほど(例:露点−20℃等)、ローターの処理負荷・再生負荷が上がりエネルギー投入量が増加します。処理風量が大きい現場も比例的にコストが増える傾向です。

2) 再生熱源の種類と単価

電気ヒーター/ガス/蒸気/温水(廃熱含む)でコスト構造が大きく変わります。既設ボイラやプロセス排熱が使えると大幅な低減余地が生まれます。

3) 外気条件・負荷プロファイル

夏季の外気絶対湿度が高い地域や、24時間運転・ピーク集中などは運転時間・再生頻度を押し上げます。外気導入比率が大きいと除湿負荷が増大します。

4) システム構成と連携

デシカントで潜熱、EHP/チラーで顕熱を分担し、熱回収(顕熱交換器)や前後処理の組合せを最適化することで、同じ制御目標でも投入エネルギーを抑えられます。

モデルケース(概念例)

下記は比較の「考え方」を掴むための概念例です。実設計では必ず個別試算が必要です。

条件製造エリア:500m²、天井高4m、処理風量8,000m³/h、目標RH45%、外気導入20%16時間/日
方式A従来型:冷却除湿(過冷却)+再加熱、顕熱交換なし
方式Bデシカント:潜熱処理+顕熱はEHP、顕熱交換器と廃温水でローター再生
年間電力方式A:X1 kWh方式B:X2 kWh
年間熱源方式A:Y1(再加熱)方式B:Y2(再生・廃熱主体)
概算コスト方式A:電力単価×X1+熱源単価×Y1方式B:電力単価×X2+熱源単価×Y2
※単価・X/Yは導入施設の契約・設備に依存。実際は熱負荷計算・気象データ・運用時間で精査します。

考察のポイント

  • 方式Bは再加熱を最小化でき、廃熱再生が効けば熱源購入量を削減できる
  • 顕熱交換・ゾーニングで無駄な冷暖房を抑制
  • 同一の湿度品質で年間ランニングコスト低減の余地

運用で効く「5つの削減レバー」

1) 露点・湿度の適正化(過剰性能の回避)

「とりあえず低湿度」は禁物。製品・工程が要求する必要十分な目標値に設定することが最も効く省エネ対策です。

2) ゾーニングと時間制御

人・工程の集中時間に合わせ、エリアごとに風量・再生頻度を可変。不要時間の無駄な除湿を抑制します。

3) 外気比率の最適化+熱回収

必要換気量の確保は前提としつつ、外気の前処理・顕熱交換で外気起因の除湿負荷を低減します。

4) 再生熱源の見直し

廃熱・低温水・排熱回収の活用可能性を検討。ボイラやプロセス熱源の余熱カスケードでコスト最適化を図ります。

5) フィルター管理と圧損低減

フィルター目詰まりは送風電力の増大要因。適正なグレード選定と交換周期の最適化で電力増を回避します。

保守費(メンテナンス)の目安観点

  • 消耗品:プレ/中/高性能フィルター、パッキン等
  • 定期点検:ローター・再生ヒーター・駆動部・ダクトリーク確認
  • 清掃:熱交換器・ドレン系統の衛生管理

ランニングコスト試算では、これらの保守を年額で積み上げ月割して比較に織り込むのが実務的です。

「目的に応じて選ぶ」ことが最重要

同じ「デシカント空調」でも、吸湿材グレード・ローター径・再生温度域・熱回収の有無・顕熱側の構成によってコスト構造は大きく変わります。

  • チルド包装・結露対策重視:露点を下げ過ぎず安定RH+結露抑制を狙う構成
  • 低露点・クリーン重視:多段フィルタ+高性能ローター+熱回収強化。再生熱源の確保が鍵
  • 大空間の部分湿度管理:ゾーン別風量制御と在室・稼働に連動した可変制御

用途に最適化された機種・システムを選ぶほど、同じ品質で無駄のない光熱費に近づけます。

見積時に確認したいチェックリスト

  • 目標RH/露点と許容幅(季節・時間帯別)
  • 処理風量・外気比率・運転時間の想定(ピークと通常)
  • 顕熱側(EHP/チラー等)との役割分担と熱回収の有無
  • 再生熱源の種類(既設設備・廃熱の活用可否)
  • フィルターグレードと圧損・交換周期
  • ゾーニング・在室/生産連動制御(BAS/EMS)
  • 年間エネルギー試算根拠(気象データ・稼働条件・単価)
  • 保守費の内訳(人件・消耗品・点検頻度)

よくある質問(FAQ)

Q. 既存の空調と組み合わせる方が安く運用できますか?

A. 目的次第です。多くのケースで、デシカント=潜熱、既存空調=顕熱の分担にするとエネルギーの無駄が減ります。既設の冷房能力・ダクト系統・制御システムとの互換性を事前に確認しましょう。

Q. 電気ヒーター再生は電気代が高くなりませんか?

A. 単価次第で上がり得ます。廃熱・温水・蒸気の活用可否や、契約電力・デマンド対策で最適化の余地があります。再生熱源の見極めが肝です。

Q. 低露点運用(例:−20℃DP)はどのくらい高くつきますか?

A. 露点を下げるほど再生エネルギー投入量は増えます。必要な露点を工程品質から逆算し、過剰スペックを避けるのがコスト抑制の第一歩です。

導入事例から学ぶ活用シーン

ランニングコストを最小限に抑えるには、施設の用途や運用環境に合わせたシステム設計が欠かせません。目的に応じて最適なデシカント空調を選ぶことで、光熱費・保守費の両面で効率的な運用が可能です。以下の導入事例ページでは、各業種での活用ポイントを紹介しています。

医療・福祉施設衛生性と安定湿度を両立する導入事例を見る
食品工場結露防止と品質維持を実現した導入事例を見る
物流倉庫省エネと安定環境を両立した導入事例を見る
GMP・医薬品製造厳格な湿度管理を実現した導入事例を見る
精密機器製造高精度な低露点環境の導入事例を見る
THREE SELECTIONS
目的に応じて選ぶ
デシカント空調製品おすすめ3選
チルド食品の冷却包装
向け
カサバー
カサバー

画像引用元:株式会社ティーネットジャパン公式HP
(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)

低温度帯での省エネ稼働と衛生管理

0℃付近で高い省エネ効率(乾式デシカント比約40%削減※1)を発揮し、低温環境での運用コストを大幅に削減。霜取り運転も不要なため安定した稼働が見込めます。

特殊溶液が結露・粉じんを抑え、製品トラブルを予防。除菌性(食塩水相当)により空気中の菌も除去※2し、HACCPにも対応可能です。

有機EL製造・開発環境
向け
ドライセーブSSP/SZP
ドライセーブSSP/SZP

画像引用元:株式会社西部技研公式HP
(https://seibu-giken.com/products/287/)

超低露点乾燥を実現する独自技術

機能性ハニカム構造を製造する技術と、特殊シリカゲルや合成ゼオライトを使用することにより、-90℃DPという超低露点に対応します。

クリーンブースの一体設計が可能。湿度制御の精度を高めることで、恒常的な超低湿制御が前提となる有機EL製造に対応できます。

冷蔵ショーケース結露対策
向け
カラットデシカント
カラットデシカント

画像引用元:日本特殊陶業公式HP
(https://niterra-air.com/)

営業を止めずに黒カビ・結露対策

天井埋め込み型なので店内の景観を損なわず、最短1日の夜間工事※3で設置が完了。営業への影響を抑えた導入が可能です。

独自開発の除湿素材を活用し、店内の湿度を40〜50%に保つことで、冷蔵ショーケースの曇りや結露の発生を抑えやすい空調環境を整えます。

※1 108.8kW→61.9kW 参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/files/products_kathabar/comparison_table.pdf)
※2 実証実験による結果。測定場所:某ビール工場 測定日時:1998年7月7日 測定機器:RCSエアーサンプラー(密閉状態で測定)
参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
※3 1台で約1日(スーパーマーケットの場合、閉店後~翌開店前まで)で設置可能。 参照元:日本特殊陶業株式会社公式HP(https://niterra-air.com/faq/)