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デシカント空調の定期点検頻度と実施ポイント

デシカント空調は、吸湿ローターや再生ヒーター、精密な制御系によって安定した除湿性能を実現する、高度な空調システムです。その一方で、こうした「高い機械精度」に支えられているがゆえに、定期的な点検とメンテナンスを行わないと、本来の性能を発揮できなくなってしまいます。

一般的な冷媒方式の空調に比べると、デシカント空調は、吸湿ローター/再生ヒーター/制御盤・センサー類/複数のファンなど、構成要素が多く、構造も複雑です。そのため、点検を怠ると「除湿効果の低下」「異音・振動」「電力消費の増大」といったトラブルが段階的に起こり、最終的には装置停止や高額な修理につながるリスクがあります。

本記事では、デシカント空調における「定期点検の頻度」を中心に、使用環境ごとの目安や具体的な点検項目、点検を怠った場合に起こるトラブル、費用感、最新の予防保全トレンドまでをまとめてご紹介します。

デシカント空調の定期点検頻度の目安

デシカント空調の点検頻度は、「どのような環境で」「どの程度の時間稼働しているか」によって大きく変わります。ここでは、一般的なメーカー推奨や現場での運用実態をもとに、頻度の目安を整理します。

1. 一般的な推奨頻度

  • 年1〜2回の定期点検が基本
    多くのメーカーでは、少なくとも年1回、可能であれば年2回(春・秋など季節の切り替え時期)の点検を推奨しています。夏前に除湿系統、冬前に再生ヒーターや制御系統を重点チェックすることで、年間を通じた安定稼働が期待できます。
  • 24時間稼働・高湿度環境では3〜4か月ごと
    食品工場や冷蔵倉庫、医薬品倉庫など、24時間連続稼働+高湿度負荷がかかる環境では、汚れの蓄積スピードが速くなります。このような現場では、3〜4か月ごとの点検が望ましいとされています。

2. 使用環境別の点検頻度の目安

代表的な使用環境ごとの点検頻度の目安を、表形式で整理します。

使用環境 点検頻度の目安
食品工場・医薬品倉庫など高湿度環境 3か月ごと(年4回程度)
病院・精密機器工場など恒温恒湿が必要な場所 3〜6か月ごと(年2〜4回)
一般オフィス・研究施設など比較的クリーンな環境 半年〜1年に1回

上記はあくまで目安であり、実際には「粉塵量」「外気導入量」「運転時間(24時間か、昼間のみか)」によって最適な頻度は変動します。導入後1〜2年は、点検結果を見ながら自社に合った頻度を調整していくことが重要です。

3. 季節ごとの確認ポイント

  • 夏前(梅雨〜夏季の高湿度シーズンに備えて)
    ・吸湿ローターの汚れ・目詰まり状況
    ・給排気ファン、循環ファンの回転状況や異音の有無
    ・プレフィルター・中性能フィルターの汚れ・交換時期
  • 冬前(再生ヒーターや凍結リスクに備えて)
    ・再生ヒーターの発熱性能、温度制御の正常性
    ・制御盤内部の結露・腐食・配線の緩み
    ・ドレン配管の詰まりや凍結リスク、水漏れの有無

このように、季節ごとに重点を置くポイントを変えながら点検することで、ムダのない保守と安定稼働の両立が可能になります。

デシカント空調の主な点検項目とチェックリスト

ここからは、実際の定期点検で確認すべき具体的な項目を一覧化します。社内で点検を行う場合のチェックリストとしても、そのまま活用いただけます。

1. 吸湿ローター関連

  • ローター表面の汚れ・目詰まりの有無
  • 変色、カビ、腐食などの異常がないか
  • 回転時の偏芯・振れ・異音の有無

2. 再生ヒーター・加熱系統

  • 設定温度まで問題なく立ち上がるか
  • 温度センサーの値が安定しているか
  • ヒーター配線や端子の焼け・緩みがないか

3. ファン/ベルト・駆動部

  • ファン回転時の異音・振動の有無
  • ベルトの摩耗・ひび・テンション不良
  • 軸受部のグリス切れや温度上昇の有無

4. フィルター類

  • プレフィルターの目詰まり状況(清掃・交換時期)
  • 中性能フィルター・HEPAフィルターの差圧確認
  • フィルター枠の破損・隙間(バイパス流れ)の有無

5. センサー類・計測機器

  • 温度・湿度センサーのキャリブレーション確認
  • 異常な値を示していないか(外部測定値との比較)
  • 配線の断線・接触不良がないか

6. 制御盤・電気系統

  • 基板の腐食・焼損・変色の有無
  • 制御リレー・端子台の緩みや発熱
  • インバーターのエラーログ・警報履歴の確認

7. ドレン系統・筐体周り

  • ドレンパン・ドレン配管の詰まりや汚れ
  • 筐体周囲の水漏れ・結露の有無
  • 保温材・断熱材の剥がれや劣化

定期点検を怠った場合に起こりうるトラブル

定期点検を実施しない状態が続くと、次のようなトラブルが段階的に発生します。

  • 除湿性能の低下
    「湿度が下がりにくい」「結露が発生する」といった症状が出始め、最終的には製品不良やカビ発生など、品質トラブルへつながります。
  • ローター焼損・再生ヒーター故障
    再生系統の不具合や汚れによりローター温度が異常上昇すると、ローター自体の焼損やヒーター破損につながる危険があります。
  • エネルギー効率の悪化(電気代増加)
    フィルター目詰まりやファンの不調により、同じ除湿量を得るためにより多くの電力が必要となり、電気代がじわじわと増加します。
  • 臭気・カビ発生による衛生問題
    汚れたフィルターやローター表面がカビの温床となり、不快な臭気や微生物リスクを増大させます。食品・医薬品工場では致命的な問題になりかねません。
  • 故障修理コストの増大・長期停止リスク
    予防保全が行われていれば避けられたトラブルでも、放置することで「ローター交換」「ヒーター交換」など高額修理につながり、ライン停止時間も長くなります。

定期点検は一見「コスト」に見えますが、実際には稼働安定と総コスト削減のための投資と捉えることが重要です。

点検費用の目安と依頼方法

デシカント空調の定期点検費用は、装置の規模・台数・設置環境によって大きく変わりますが、おおよその目安は以下の通りです。

  • 単発の定期点検
    1回あたり数万円〜十数万円程度が一般的なレンジです。大型設備や複数台同時点検の場合はさらに高くなることがあります。
  • 年間保守契約
    年2回の定期点検に加え、緊急対応・部品交換の優先手配などを含めた保守契約を結ぶケースも多くあります。長期的には、単発対応よりもコスト・対応スピードの面でメリットが大きい傾向があります。

メーカーや施工業者に点検依頼をする際は、次のポイントを事前に確認しておくと安心です。

  • 点検内容(チェック項目・所要時間)が明確になっているか
  • 点検後に「写真付きの報告書」を提出してもらえるか
  • 保守契約の中に部品費用が含まれるのか、別途なのか
  • 緊急時の対応時間(駆けつけ可能な時間帯・休日対応の有無)

【目的で選ぶ】
おすすめのデシカント空調3選

定期点検の効率化・自動化に向けた最新トレンド

近年では、「壊れてから直す」事後保全から、「壊れる前に兆候を捉える」予防保全・予兆診断へとシフトが進んでいます。デシカント空調でも、次のような取り組みが増えています。

  • IoT監視・遠隔モニタリング
    温湿度、電流値、ローター回転数、振動データなどを常時クラウドに送信し、異常値や傾向の変化を自動検知するシステムが普及しつつあります。
  • データに基づく点検タイミングの最適化
    実際の運転データを解析することで、「一定期間ごと」ではなく「状態に応じた点検・交換」を行うことができ、ムダな点検回数の削減と、故障リスクの低減を両立できます。
  • メーカー・保守会社によるAI予兆診断サービス
    メーカー側で収集した多数の稼働データをもとに、AIが異常傾向を検知し、点検・交換の推奨タイミングを通知するサービスも登場しています。

まとめ:デシカント空調を安定稼働させる3つのポイント

最後に、デシカント空調の定期点検・保守を考える上で、押さえておきたいポイントを3つに整理します。

  1. 使用環境に応じて点検頻度を決める
    高湿度・高負荷環境では3〜4か月ごと、比較的クリーンな環境でも年1〜2回は点検を行いましょう。
  2. 点検項目をリスト化し、履歴を残す
    チェックリストと点検記録を残すことで、トラブル時の原因特定や、予防保全へのフィードバックが容易になります。
  3. 保守契約・遠隔監視を活用してトラブルを未然に防ぐ
    専門業者との保守契約やIoT監視を組み合わせることで、故障リスクとトータルコストを大きく抑えることができます。

デシカント空調の故障症状や具体的な修理対応例については、以下の記事も参考になります。

デシカント空調の故障症状と修理対応についてもっと知る

THREE SELECTIONS
目的に応じて選ぶ
デシカント空調製品おすすめ3選
チルド食品の冷却包装
向け
カサバー
カサバー

画像引用元:株式会社ティーネットジャパン公式HP
(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)

低温度帯での省エネ稼働と衛生管理

0℃付近で高い省エネ効率(乾式デシカント比約40%削減※1)を発揮し、低温環境での運用コストを大幅に削減。霜取り運転も不要なため安定した稼働が見込めます。

特殊溶液が結露・粉じんを抑え、製品トラブルを予防。除菌性(食塩水相当)により空気中の菌も除去※2し、HACCPにも対応可能です。

有機EL製造・開発環境
向け
ドライセーブSSP/SZP
ドライセーブSSP/SZP

画像引用元:株式会社西部技研公式HP
(https://seibu-giken.com/products/287/)

超低露点乾燥を実現する独自技術

機能性ハニカム構造を製造する技術と、特殊シリカゲルや合成ゼオライトを使用することにより、-90℃DPという超低露点に対応します。

クリーンブースの一体設計が可能。湿度制御の精度を高めることで、恒常的な超低湿制御が前提となる有機EL製造に対応できます。

冷蔵ショーケース結露対策
向け
カラットデシカント
カラットデシカント

画像引用元:日本特殊陶業公式HP
(https://niterra-air.com/)

営業を止めずに黒カビ・結露対策

天井埋め込み型なので店内の景観を損なわず、最短1日の夜間工事※3で設置が完了。営業への影響を抑えた導入が可能です。

独自開発の除湿素材を活用し、店内の湿度を40〜50%に保つことで、冷蔵ショーケースの曇りや結露の発生を抑えやすい空調環境を整えます。

※1 108.8kW→61.9kW 参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/files/products_kathabar/comparison_table.pdf)
※2 実証実験による結果。測定場所:某ビール工場 測定日時:1998年7月7日 測定機器:RCSエアーサンプラー(密閉状態で測定)
参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
※3 1台で約1日(スーパーマーケットの場合、閉店後~翌開店前まで)で設置可能。 参照元:日本特殊陶業株式会社公式HP(https://niterra-air.com/faq/)