デシカント空調は、吸湿ローターや再生ヒーター、精密な制御系によって安定した除湿性能を実現する、高度な空調システムです。その一方で、こうした「高い機械精度」に支えられているがゆえに、定期的な点検とメンテナンスを行わないと、本来の性能を発揮できなくなってしまいます。
一般的な冷媒方式の空調に比べると、デシカント空調は、吸湿ローター/再生ヒーター/制御盤・センサー類/複数のファンなど、構成要素が多く、構造も複雑です。そのため、点検を怠ると「除湿効果の低下」「異音・振動」「電力消費の増大」といったトラブルが段階的に起こり、最終的には装置停止や高額な修理につながるリスクがあります。
本記事では、デシカント空調における「定期点検の頻度」を中心に、使用環境ごとの目安や具体的な点検項目、点検を怠った場合に起こるトラブル、費用感、最新の予防保全トレンドまでをまとめてご紹介します。
デシカント空調の点検頻度は、「どのような環境で」「どの程度の時間稼働しているか」によって大きく変わります。ここでは、一般的なメーカー推奨や現場での運用実態をもとに、頻度の目安を整理します。
代表的な使用環境ごとの点検頻度の目安を、表形式で整理します。
| 使用環境 | 点検頻度の目安 |
|---|---|
| 食品工場・医薬品倉庫など高湿度環境 | 3か月ごと(年4回程度) |
| 病院・精密機器工場など恒温恒湿が必要な場所 | 3〜6か月ごと(年2〜4回) |
| 一般オフィス・研究施設など比較的クリーンな環境 | 半年〜1年に1回 |
上記はあくまで目安であり、実際には「粉塵量」「外気導入量」「運転時間(24時間か、昼間のみか)」によって最適な頻度は変動します。導入後1〜2年は、点検結果を見ながら自社に合った頻度を調整していくことが重要です。
このように、季節ごとに重点を置くポイントを変えながら点検することで、ムダのない保守と安定稼働の両立が可能になります。
ここからは、実際の定期点検で確認すべき具体的な項目を一覧化します。社内で点検を行う場合のチェックリストとしても、そのまま活用いただけます。
定期点検を実施しない状態が続くと、次のようなトラブルが段階的に発生します。
定期点検は一見「コスト」に見えますが、実際には稼働安定と総コスト削減のための投資と捉えることが重要です。
デシカント空調の定期点検費用は、装置の規模・台数・設置環境によって大きく変わりますが、おおよその目安は以下の通りです。
メーカーや施工業者に点検依頼をする際は、次のポイントを事前に確認しておくと安心です。
近年では、「壊れてから直す」事後保全から、「壊れる前に兆候を捉える」予防保全・予兆診断へとシフトが進んでいます。デシカント空調でも、次のような取り組みが増えています。
最後に、デシカント空調の定期点検・保守を考える上で、押さえておきたいポイントを3つに整理します。
デシカント空調の故障症状や具体的な修理対応例については、以下の記事も参考になります。
画像引用元:株式会社ティーネットジャパン公式HP
(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
0℃付近で高い省エネ効率(乾式デシカント比約40%削減※1)を発揮し、低温環境での運用コストを大幅に削減。霜取り運転も不要なため安定した稼働が見込めます。
特殊溶液が結露・粉じんを抑え、製品トラブルを予防。除菌性(食塩水相当)により空気中の菌も除去※2し、HACCPにも対応可能です。
画像引用元:株式会社西部技研公式HP
(https://seibu-giken.com/products/287/)
機能性ハニカム構造を製造する技術と、特殊シリカゲルや合成ゼオライトを使用することにより、-90℃DPという超低露点に対応します。
クリーンブースの一体設計が可能。湿度制御の精度を高めることで、恒常的な超低湿制御が前提となる有機EL製造に対応できます。
画像引用元:日本特殊陶業公式HP
(https://niterra-air.com/)
天井埋め込み型なので店内の景観を損なわず、最短1日の夜間工事※3で設置が完了。営業への影響を抑えた導入が可能です。
独自開発の除湿素材を活用し、店内の湿度を40〜50%に保つことで、冷蔵ショーケースの曇りや結露の発生を抑えやすい空調環境を整えます。
※1 108.8kW→61.9kW 参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/files/products_kathabar/comparison_table.pdf)
※2 実証実験による結果。測定場所:某ビール工場 測定日時:1998年7月7日 測定機器:RCSエアーサンプラー(密閉状態で測定)
参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
※3 1台で約1日(スーパーマーケットの場合、閉店後~翌開店前まで)で設置可能。 参照元:日本特殊陶業株式会社公式HP(https://niterra-air.com/faq/)