目的に沿ったデシカント空調導入支援メディア|KARADESI » 業界別の導入理由

なぜデシカント空調を導入する?メリットと業界別導入理由

デシカント空調は、単に室温を調整するだけでなく、湿度を精密にコントロールすることで、多様な作業環境に対応できる湿度制御システムです。ここでは、デシカント空調がもたらす主なメリットと、各業界における具体的な導入理由をご紹介します。

デシカント空調とは?

デシカント空調は、「湿度の制御」に特化した空調方式です。従来の空調システムが冷却によって空気中の水分を凝縮・除去するのに対し、デシカント空調は「吸湿剤(デシカント素子)」を用いて空気中の水分を直接吸着し、乾燥させるという点に特長があります。

この方式により、室温を過度に下げることなく安定した除湿が可能となり、快適性と省エネルギーの両立が可能です。低湿度環境が求められる製造現場や施設などにおいて、高精度な湿度管理を実現する手段として注目されています。

デシカント空調の
仕組みを
詳しく見る

デシカント空調の
主な導入メリット

結露の発生リスクと
衛生環境の維持

デシカント空調は、湿度を高精度にコントロールすることで、結露の発生を抑制。結露は、壁面やダクト、機器表面などに水滴を生じさせ、カビや細菌の温床となるリスクがあります。

特に食品・医薬品・精密機器などの製造・保管環境において、結露対策は衛生管理の重要課題であり、湿度の安定化は品質維持と作業環境の清浄性確保に直結すると言えるでしょう。

冷却除湿方式に比べて
運用コストを抑制

従来の冷却除湿方式では、空気を必要以上に冷却することで湿度を下げるため、室温管理と除湿の両立が難しい場合があります。一方、デシカント空調は吸湿剤を用いて直接水分を除去するため、過度な冷却を行わずに効率的な除湿が可能です。

これにより、空調負荷の軽減・エネルギー消費の抑制・省エネ化が期待でき、ランニングコストの効率化に貢献します。

業務環境の快適性向上と
生産性支援

湿度と温度のバランスを適切に保つことで、空間内のべたつきや乾燥などの不快要素を軽減できます。従業員の集中力や来訪者の満足度を高め、全体の業務環境改善につながります。

業界別の導入理由

病院・クリニック:高精度な湿度管理が求められる空間に対応

湿度が高すぎるとべたつきや不快感、低すぎると乾燥や静電気が発生するなど、作業者の集中力や作業効率に影響を及ぼす要因となります。デシカント空調は、温湿度のバランスを安定的に保つことで、快適な作業空間を提供します。

それによって従業員のパフォーマンス向上はもちろん、見学者や取引先への印象もプラスに作用。職場環境改善や品質マネジメントの一環として導入する企業もあります。

病院での
デシカント空調
導入メリットを詳しく見る

透析クリニックでの
デシカント空調
導入メリットを詳しく見る

手術室の結露防止での
デシカント空調
導入メリットを詳しく見る

病院のカビ対策での
デシカント空調
導入メリットを詳しく見る

食品工場:高湿環境を避けて製造環境を
安定化

工程中に発生する蒸気や湿気により高湿度化しやすい食品工場では、相対湿度60%以下の管理によってカビの発育リスクを低減できます。除湿効果は天井裏や床下などの見えにくい空間にも届き、製造空間全体の環境品質を維持します。

食品工場での
デシカント空調
導入メリットを詳しく見る

食品製造現場での
デシカント空調
導入メリットを詳しく見る

GMP対応工場:品質管理と生産性を支える湿度制御

GMPやHACCP、ISO22000などの衛生管理基準では、温湿度管理が重要な要件です。デシカント空調を導入することで、吸湿性の高い粉体原料(例:小麦粉、調味料)の品質変化や凝集リスクを抑え、製品の均一性や生産性の向上につながります。IoTとの連携で、湿度ログの自動記録や遠隔モニタリングにも対応でき、全社的な品質管理の高度化にも貢献します。

医薬品工場のGMP運用と
デシカント空調の詳細を見る

物流倉庫:長期保管に対応する湿度安定性

段ボール・紙製品・精密機器など、湿度変動に弱い製品を扱う倉庫では、湿度を安定させることで保管時の品質劣化を抑制できます。温湿度によるクレームや補修対応のリスクを軽減する手段として有効です。

住宅・オフィスビル:快適で清潔な空気環境の提供

湿度管理を通じてカビやダニが繁殖しにくい空間環境を整備でき、室内衛生の維持や居住者・従業員の快適性向上に寄与します。空気清浄機能の補完設備としての役割も期待できます。

今後の空調に求められる要件とは?

国内のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の推進やカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが加速する中、「快適性」と「省エネルギー性能」を両立できる空調技術への関心が高まっています。特に製造業や物流業界では、環境性能と品質管理の両立が求められる場面が増えており、空調システムの見直しを行う企業も増加傾向です。

こうした背景のもと、デシカント空調は高精度な湿度制御によって室内環境の質を保ちつつ、空調エネルギーの最適化に貢献できる技術として注目されています。とくに低湿度領域の安定維持や熱源の選択による柔軟なエネルギー設計が可能な点は、ZEB化や工場・倉庫の脱炭素化を支える重要な要素です。

今後は、再エネ活用やスマートビルとの連携を視野に入れたデシカント空調の導入がさらに進むと予想され、環境対応型の空調ソリューションとしての役割が拡大していくでしょう。

THREE SELECTIONS
目的に応じて選ぶ
デシカント空調製品おすすめ3選
チルド食品の冷却包装
向け
カサバー
カサバー

画像引用元:株式会社ティーネットジャパン公式HP
(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)

低温度帯での省エネ稼働と衛生管理

0℃付近で高い省エネ効率(乾式デシカント比約40%削減※1)を発揮し、低温環境での運用コストを大幅に削減。霜取り運転も不要なため安定した稼働が見込めます。

特殊溶液が結露・粉じんを抑え、製品トラブルを予防。除菌性(食塩水相当)により空気中の菌も除去※2し、HACCPにも対応可能です。

有機EL製造・開発環境
向け
ドライセーブSSP/SZP
ドライセーブSSP/SZP

画像引用元:株式会社西部技研公式HP
(https://seibu-giken.com/products/287/)

超低露点乾燥を実現する独自技術

機能性ハニカム構造を製造する技術と、特殊シリカゲルや合成ゼオライトを使用することにより、-90℃DPという超低露点に対応します。

クリーンブースの一体設計が可能。湿度制御の精度を高めることで、恒常的な超低湿制御が前提となる有機EL製造に対応できます。

冷蔵ショーケース結露対策
向け
カラットデシカント
カラットデシカント

画像引用元:日本特殊陶業公式HP
(https://niterra-air.com/)

営業を止めずに黒カビ・結露対策

天井埋め込み型なので店内の景観を損なわず、最短1日の夜間工事※3で設置が完了。営業への影響を抑えた導入が可能です。

独自開発の除湿素材を活用し、店内の湿度を40〜50%に保つことで、冷蔵ショーケースの曇りや結露の発生を抑えやすい空調環境を整えます。

※1 108.8kW→61.9kW 参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/files/products_kathabar/comparison_table.pdf)
※2 実証実験による結果。測定場所:某ビール工場 測定日時:1998年7月7日 測定機器:RCSエアーサンプラー(密閉状態で測定)
参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
※3 1台で約1日(スーパーマーケットの場合、閉店後~翌開店前まで)で設置可能。 参照元:日本特殊陶業株式会社公式HP(https://niterra-air.com/faq/)