「製品の歩留まりが安定しない」「保管中に錆びやカビが発生してしまう」「冬場の静電気で不良が出る」……。
製造現場や保管倉庫で起きるこれらの品質トラブル。その原因は、管理が難しい「湿度」にあるかもしれません。
湿度は温度と違い、外気の影響や室内での作業状況によって激しく変動します。また、一般的なエアコン(冷房除湿)は「温度」を下げることを主目的としているため、「湿度」だけを精密にコントロールすることは構造上困難です。
本記事では、「品質保持」という目的を達成するために、なぜ「デシカント式」による湿度制御が有効なのか、その仕組みと、守るべき「品質」の目的に合わせた最適な製品の選び方を解説します。
デシカント式空調の最大の特徴は、一般的なエアコンが「空気を冷やして結露させる」ことで除湿するのに対し、吸湿材(デシカント)を用いて空気中の水分を「直接吸着・除去」する点にあります。
この基本原理の違いにより、品質保持(湿度制御)において以下の3つの大きな優位性を発揮します。
一般的なエアコンは、室温が下がると除湿能力が極端に低下します。しかし、デシカント式は吸着材を使って水分を取り除くため、温度に依存せず除湿が可能です。品質保持のために低温(例:チルド帯)が必要な現場でも、安定して湿度を制御できます。
デシカント式は、温度と湿度を切り離して制御できます。「温度は25℃、湿度は20%」「温度は5℃、湿度は50%」といった、製品特性に合わせたピンポイントな環境設定が可能です。エアコンのように除湿のために過度に部屋を冷やす必要がないため、製品への熱ストレスや過冷却のエネルギーロスも防げます。
エアコンでは到達不可能な超低露点(例:-90℃DP)の環境構築から、結露を防ぐための中湿度帯の維持まで、幅広いニーズに対応可能です。これにより、極めてデリケートな電子部品から食品保管まで、あらゆる「品質」を守ることができます。
一口に「品質保持」といっても、業種や扱う製品によって最適な「湿度レベル」は全く異なります。過剰なスペックはコスト増を招き、性能不足は品質事故につながります。重要なのは、目的に合った製品を選ぶことです。
水分との化学反応による一切の劣化を防ぐ必要があり、結露が許されない環境です。
選定理由:
独自技術のハニカム構造ローターにより、超低露点環境の構築・維持が可能です。精密な湿度制御機能により、恒常的な超低湿が前提となる製造ラインや研究開発環境に対応します。
超低露点環境の品質保持に適した
「ドライセーブ」の製品特徴を見る
低温(0℃付近)での鮮度保持に加え、カビ・細菌の発生を防ぐ衛生管理が求められる環境です。
選定理由:
0℃付近の低温度帯でも高い省エネ効率を発揮します。また、特殊な吸湿溶液が空気中の塵埃や浮遊菌を捕捉・除菌する効果も期待できるため、衛生的な環境で食品や医薬品の品質保持に貢献します。
低温・衛生環境での品質保持に適した
「カサバー」の製品特徴を見る
デシカント式空調は、従来のエアコンでは難しかった精密な「湿度制御」を可能にし、様々な現場での「品質保持」に貢献します。
導入検討の際に最も重要なのは、自社が守りたい「品質」が、どのような湿度環境(超低湿、低温、あるいは中湿度)を必要としているのか、その「目的」を明確にすることです。目的に合わない製品(オーバースペック)はコストの無駄になり、性能不足は品質劣化に直結します。
まずは自社の課題を整理し、専門家やメーカーに相談して、最適な空調システムを選定しましょう。
画像引用元:株式会社ティーネットジャパン公式HP
(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
0℃付近で高い省エネ効率(乾式デシカント比約40%削減※1)を発揮し、低温環境での運用コストを大幅に削減。霜取り運転も不要なため安定した稼働が見込めます。
特殊溶液が結露・粉じんを抑え、製品トラブルを予防。除菌性(食塩水相当)により空気中の菌も除去※2し、HACCPにも対応可能です。
画像引用元:株式会社西部技研公式HP
(https://seibu-giken.com/products/287/)
機能性ハニカム構造を製造する技術と、特殊シリカゲルや合成ゼオライトを使用することにより、-90℃DPという超低露点に対応します。
クリーンブースの一体設計が可能。湿度制御の精度を高めることで、恒常的な超低湿制御が前提となる有機EL製造に対応できます。
画像引用元:日本特殊陶業公式HP
(https://niterra-air.com/)
天井埋め込み型なので店内の景観を損なわず、最短1日の夜間工事※3で設置が完了。営業への影響を抑えた導入が可能です。
独自開発の除湿素材を活用し、店内の湿度を40〜50%に保つことで、冷蔵ショーケースの曇りや結露の発生を抑えやすい空調環境を整えます。
※1 108.8kW→61.9kW 参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/files/products_kathabar/comparison_table.pdf)
※2 実証実験による結果。測定場所:某ビール工場 測定日時:1998年7月7日 測定機器:RCSエアーサンプラー(密閉状態で測定)
参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
※3 1台で約1日(スーパーマーケットの場合、閉店後~翌開店前まで)で設置可能。 参照元:日本特殊陶業株式会社公式HP(https://niterra-air.com/faq/)