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冷却除湿の電気代が高い…対策としてのデシカント空調

目次

空調で除湿したいのに、思った以上に電気代がかかる。そんな悩みは、工場や施設だけでなく、湿度管理が必要なさまざまな現場でよく見られます。

冷却除湿は一般的な方式ですが、空気を冷やして湿気を落とす仕組みのため、高湿度環境や厳密な除湿条件では負荷が大きくなりやすいのが特徴です。
本ページでは、冷却除湿の電気代が高くなりやすい理由と、その対策としてデシカント空調が有効な場面を分かりやすく整理します。

冷却除湿の電気代が高くなりやすい理由

除湿のために空気を強く冷やす必要がある

冷却除湿は、空気を露点温度以下まで冷やして水分を凝縮(結露)させることで除湿する方式です。
空間の湿気が多いほど、水分を取り除くためにより大きな冷却負荷が必要になります。そのため、室内の温度を下げる目的以上に、除湿目的で電力を多く消費してしまう場面があります。

湿度を下げたあと再熱が必要になることがある

除湿のために空気を冷やしすぎると、そのまま室内に送風した場合には「寒すぎる」状態になってしまいます。
そのため、冷やした空気を適正な温度まで温め直す「再熱処理」を行うケースがあります。この「冷やしてから温める」という工程が、空調のエネルギー消費を押し上げやすい主な要因です。快適性や厳密な工程条件を守るために再熱が必要な現場ほど、電気代の面では不利になりやすいと言えます。

高湿度外気や換気量の多い施設では負荷が大きい

梅雨や夏場は、外気そのものに含まれる湿気が多くなります。
そのため、換気量が多い建物では、外気を取り込む分だけ除湿負荷も増加します。病院、食品工場、商業施設、大規模工場など、換気が不可欠な施設ほど電気代が膨らみやすい傾向にあります。

冷却除湿の電気代が高く感じやすい場面

梅雨や夏場に空調費が急に上がる

高湿度な外気が室内に流入することで、除湿にかかる負荷が急増します。
冷房の設定温度を大きく変えていなくても、空気が持つ潜熱(湿気)を処理するために機器がフル稼働し、電気代が増えやすくなります。季節によって空調費の差が激しい場合は、除湿負荷が要因となっている可能性が高いと考えられます。

湿度を厳密に管理したい現場

食品、医薬品、精密機器、電子部品の製造工場やクリーンルームなどでは、温度だけでなく安定した湿度の維持が求められます。
品質管理のために低い湿度を維持しようとすると、一般的な冷房運転よりも高い負荷がかかり続けることになります。

換気量が多い施設

病院、商業施設、オフィスビル、学校など、人が多く集まる場所や衛生管理上換気が必要な施設では、外気の湿気を処理する負担が大きくなります。
外気処理の効率がシステム全体のランニングコストに直結しやすい環境です。

冷却除湿の電気代を抑える基本対策

設定値と運転時間を見直す

必要以上に低い設定温度や、過剰な除湿設定になっていないかを確認します。
時間帯やゾーンごとに運転状況を最適化し、過剰な運転を減らすだけでも、エネルギー消費が改善する場合があります。

フィルターや熱交換器のメンテナンスを行う

機器の汚れや詰まりは、空調効率の低下に直結します。
送風抵抗が増えると消費電力が上がるため、まずは定期的な清掃を行い、既存機器の性能をしっかりと発揮できる状態に整えることが基本です。

外気処理や換気設計を見直す

不要な外気負荷を取り込んでいないか、換気経路や設定を確認します。
全熱交換器などを活用して換気量の適正化を図ることも検討材料です。ただし、湿度要求が非常に高い現場では、これらの基本対策だけでは改善に限界があるケースも少なくありません。

それでも高いなら「除湿方式」を見直すべき

冷却除湿は万能ではない

冷却除湿は一般空調において非常に合理的な方式ですが、得意・不得意があります。
高湿度外気の処理、低露点環境の維持、高精度な除湿が求められる場面では、冷却方式ゆえに負荷が増えやすくなります。条件によっては、設定温度の変更ではなく「方式そのもの」の見直しが必要になります。

電気代の原因が除湿負荷なら、方式差が効きやすい

室内の温度負荷よりも湿度負荷の割合が大きい現場では、どのように除湿を行うかという「方式の違い」がコストに大きく影響します。
単なる運転見直しでは省エネ効果が頭打ちになることがあり、ここで代替策としてデシカント空調が比較候補に挙がります。

対策としてデシカント空調が有効な理由

空気中の水分を吸着材で除去する

デシカント空調は、空気を冷やして結露させるのではなく、乾燥剤(吸着材・吸湿材)を用いて空気中の水分を直接取り除く方式です。
除湿の考え方が冷却除湿と根本的に異なるため、低湿度や低露点側の制御を得意としており、比較検討されやすい技術です。

潜熱と顕熱を分けて処理しやすい

デシカント空調は、湿度処理(潜熱)と温度処理(顕熱)を分担して行いやすいという特徴があります。
潜熱と顕熱を分離して処理することで、システム全体の熱源効率の改善が期待できます。新晃工業は、潜熱・顕熱分離によって冷水温度を高く設定できるため、熱源効率を20〜30%向上できると案内しています。

外気処理負荷の大きい施設と相性がよい

換気量が多い施設や、高湿度外気を大量に扱う施設において、デシカント空調は有効性を発揮しやすいと言えます。
昭和鉄工は、外気負荷をほぼ完全に処理することで、省エネルギーな潜熱・顕熱分離空調システムを実現すると案内しています。

デシカント空調が向いている現場

夏場・梅雨時の除湿電力が大きい現場

季節差によって電気代が大きく変動し、外気湿度の影響を強く受けている施設では、除湿負荷の処理方法を見直す余地があります。

湿度精度が必要な工場・施設

食品、医薬品、精密機器、半導体、電子部品などを扱う現場では、快適性だけでなく厳密な品質条件が絡むため、一般空調の冷却除湿だけでは能力が不足しやすい環境です。

外気処理を多く行う施設

病院や商業施設、オフィス、学校など、外気由来の潜熱負荷を効率よく処理したい施設において、外調機の見直しとしてデシカント空調が検討されます。

排熱や中温冷水を活かせる施設

工場内に熱回収できる設備や未利用熱がある場合、システム全体の省エネをさらに進めやすくなります。
新晃工業は、低温排熱や太陽熱の活用、中温冷水の有効活用についても案内しています。

デシカント空調を検討するときの注意点

すべての現場で一律に有利とは限らない

一般的な空調条件や、必要とされる湿度・露点がそれほど厳しくない現場であれば、従来の冷却除湿のほうが合理的な場合もあります。
導入効果は現場の条件によって異なるため、現状の課題に合わせた判断が必要です。

再生熱や搬送動力も含めて評価する

デシカント空調は、吸湿したローターを乾燥させるための「再生工程(熱)」が必要です。
そのため、単体の除湿効率だけでなく、送風動力やシステム全体の構成を含めて総合的に評価することが求められます。

初期費用だけでなくライフサイクルで比較する

導入時のイニシャルコストだけでは、中長期的なメリットを判断しにくい面があります。
国際的な空調学会であるASHRAEも、デシカント除湿はエネルギー使用量とライフサイクルコストのバランスで考える前提で扱っています。

冷却除湿の電気代対策は「運転見直し」と「方式見直し」で考える

電気代の高騰に悩む場合、まずは設定温度、運転時間、フィルターのメンテナンス、換気条件などの基本運用を見直すことが重要です。
それでも除湿負荷が大きく、コストが下がらない場合は、高湿度外気や高精度な湿度管理に対応できる「デシカント空調」のような別方式を比較検討する価値があります。

あわせて読みたい関連ページ

デシカント空調の具体的な仕組みや、ランニングコストを削減するための比較情報は以下のページで解説しています。

まとめ

冷却除湿の電気代が高くなりやすいのは、除湿のために空気を強く冷やし、条件によっては温度を戻すための再熱まで必要になるからです。
特に高湿度外気を扱う施設や、湿度を厳密に管理したい現場では、そのエネルギー負担が大きくなりやすい傾向にあります。

こうした場面では、除湿方式そのものを見直すことで大幅な改善余地が生まれる可能性があり、デシカント空調は有力な選択肢になりえます。
ただし、すべての現場で一律に有利とは限らないため、必要湿度、外気条件、利用可能な熱源、運用条件をしっかりと整理したうえで、自社に合ったシステムを比較検討することが大切です。

THREE SELECTIONS
目的に応じて選ぶ
デシカント空調製品おすすめ3選
チルド食品の冷却包装
向け
カサバー
カサバー

画像引用元:株式会社ティーネットジャパン公式HP
(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)

低温度帯での省エネ稼働と衛生管理

0℃付近で高い省エネ効率(乾式デシカント比約40%削減※1)を発揮し、低温環境での運用コストを大幅に削減。霜取り運転も不要なため安定した稼働が見込めます。

特殊溶液が結露・粉じんを抑え、製品トラブルを予防。除菌性(食塩水相当)により空気中の菌も除去※2し、HACCPにも対応可能です。

有機EL製造・開発環境
向け
ドライセーブSSP/SZP
ドライセーブSSP/SZP

画像引用元:株式会社西部技研公式HP
(https://seibu-giken.com/products/287/)

超低露点乾燥を実現する独自技術

機能性ハニカム構造を製造する技術と、特殊シリカゲルや合成ゼオライトを使用することにより、-90℃DPという超低露点に対応します。

クリーンブースの一体設計が可能。湿度制御の精度を高めることで、恒常的な超低湿制御が前提となる有機EL製造に対応できます。

冷蔵ショーケース結露対策
向け
カラットデシカント
カラットデシカント

画像引用元:日本特殊陶業公式HP
(https://niterra-air.com/)

営業を止めずに黒カビ・結露対策

天井埋め込み型なので店内の景観を損なわず、最短1日の夜間工事※3で設置が完了。営業への影響を抑えた導入が可能です。

独自開発の除湿素材を活用し、店内の湿度を40〜50%に保つことで、冷蔵ショーケースの曇りや結露の発生を抑えやすい空調環境を整えます。

※1 108.8kW→61.9kW 参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/files/products_kathabar/comparison_table.pdf)
※2 実証実験による結果。測定場所:某ビール工場 測定日時:1998年7月7日 測定機器:RCSエアーサンプラー(密閉状態で測定)
参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
※3 1台で約1日(スーパーマーケットの場合、閉店後~翌開店前まで)で設置可能。 参照元:日本特殊陶業株式会社公式HP(https://niterra-air.com/faq/)