屋内プールの高い湿度は、利用者の快適性だけでなく、建物や設備の寿命にも影響します。本記事では、実際の導入事例を交えながら、デシカント空調による湿度対策の効果や施設に合った方式の選び方、メリットと導入時の注意点をわかりやすく解説します。
温水プールの湿度対策として注目されるのが、排熱を活用できるデシカント空調機の導入です。セントラルスポーツ株式会社北本店では、マイクロガスタービン発電機(MGT)の排熱を利用するデシカント空調機を導入しました。
MGTによる発電と温水回収に加え、その排熱をデシカント空調機へ投入することで、発電・温水回収・空調を一つにまとめたトリジェネレーションシステムを実現しています。
この導入により、潜熱を主体とした快適な空調に加え、細菌・大腸菌・カビの減少、臭気の低減、そして殺菌用塩素によって進みやすい設備の腐食劣化の抑制やメンテナンス費用の削減といった効果が得られています。
自社施設に合う方式を選ぶには、まず適正な湿度を押さえることが大切です。
屋内プールの快適で実用的な湿度は相対湿度55%±5%が目安とされ、寒候期は50%、夏期は60%へと季節に応じて調整することで、結露を避けながら運用コストを抑えられます。
屋内プールには、高温でも効率よく働き、プールの水や室内の加熱にも使える凝縮除湿機が適するとされますが、こうした方式ごとの特性を比較したうえで、自社施設に合う空調を検討しましょう。
参照元:工業・商業・家庭用加湿システムのコンデア|プールの除湿・除湿機(https://www.condair.jp/humidity-for/drying-dehumidification/swimming-pool-dehumidification-dehumidifier)
屋内プールで湿度対策が欠かせないのは、放置すると建物と利用者の双方に悪影響が及ぶためです。プールでは水面からの水分蒸発と高い室温が相まって、室内の相対湿度・絶対湿度がともに高くなり、非常に蒸し暑い環境になります。
この状態は利用者やスタッフにとって不快なだけでなく、建物管理の面でも見過ごせない問題を生みます。特に、ガラス表面や金属部品、外壁など、水分が凝縮しやすい「コールドスポット」の周囲では、結露が発生しやすくなります。
結露を放置すれば、腐食やカビの形成といったトラブルにつながり、建物そのものの劣化を早めてしまいます。健康的で快適な環境を保ち、施設を長く使い続けるためにも、適切な湿度を維持して結露や腐食を防ぐことが不可欠です。
屋内プールにデシカント空調を導入すると、快適性の向上から省エネまで、複数の側面でメリットが期待できます。ここでは一般的なデシカント空調の効果を整理して紹介します。
デシカント空調をはじめとする適切な除湿の導入は、快適性と建物保全の両面で効果を発揮します。まず、湿気がこもりがちな屋内プールでも、顧客やスタッフが快適に過ごせる環境を整えられます。
コールドスポットで生じやすい結露を減らせるため、建物内部を傷める腐食やカビの形成も抑えられます。これにより、施設のインフラに必要なメンテナンスや修理を削減でき、長期的な維持管理の負担を軽くできます。
さらに、湿度が管理された空間はスタッフが健康的に働ける職場づくりにもつながります。加えて、除湿の過程で回収した熱を水や室内の空気の加熱に再利用できるため、換気や加熱に頼るよりもコストを抑えられる点も見逃せません。
デシカント空調は、省エネやコスト、環境の面でも強みがあります。水分を吸着するデシカント空調機の除去能力は、従来型のエアコンの約4倍とされています。ほかの空調システムと併用すれば、システム全体の運転効率を改善でき、利用時の光熱費やエネルギーコストの軽減に貢献します。
また、デシカントローターの再生に必要な熱として、ヒートポンプの排熱や自然エネルギーを利用できるため、CO2の排出抑制にもつながります。ランニングコストと環境配慮を両立したい施設にとって、有力な選択肢となるでしょう。
参照元:アースクリーン東北|室内空気と地球環境・省エネの明日を考えるデシカントメガクール空調システム(https://www.earthclean.co.jp/products/desiccant/)
一方で、導入前に押さえておきたい注意点もあります。デシカント空調は比較的大型になりやすく、施工に費用がかかる傾向があります。また、除湿ローター自体も高価であるため、設置スペースや初期コストを含めて総合的に検討することが大切です。
屋内プールでは、水面からの蒸発によって室内が高湿度になりやすく、結露や腐食、カビが建物と利用者の双方に悪影響を及ぼします。
デシカント空調は、潜熱主体の快適な空調や衛生環境の改善、設備の長寿命化に加え、排熱を活用した省エネ効果も期待できます。
導入時は大型化やコスト面の注意点も踏まえ、適正な湿度と施設の条件に合った方式を選ぶことが、快適で持続可能なプール運営への近道です。
画像引用元:株式会社ティーネットジャパン公式HP
(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
0℃付近で高い省エネ効率(乾式デシカント比約40%削減※1)を発揮し、低温環境での運用コストを大幅に削減。霜取り運転も不要なため安定した稼働が見込めます。
特殊溶液が結露・粉じんを抑え、製品トラブルを予防。除菌性(食塩水相当)により空気中の菌も除去※2し、HACCPにも対応可能です。
画像引用元:株式会社西部技研公式HP
(https://seibu-giken.com/products/287/)
機能性ハニカム構造を製造する技術と、特殊シリカゲルや合成ゼオライトを使用することにより、-90℃DPという超低露点に対応します。
クリーンブースの一体設計が可能。湿度制御の精度を高めることで、恒常的な超低湿制御が前提となる有機EL製造に対応できます。
画像引用元:日本特殊陶業公式HP
(https://niterra-air.com/)
天井埋め込み型なので店内の景観を損なわず、最短1日の夜間工事※3で設置が完了。営業への影響を抑えた導入が可能です。
独自開発の除湿素材を活用し、店内の湿度を40〜50%に保つことで、冷蔵ショーケースの曇りや結露の発生を抑えやすい空調環境を整えます。
※1 108.8kW→61.9kW 参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/files/products_kathabar/comparison_table.pdf)
※2 実証実験による結果。測定場所:某ビール工場 測定日時:1998年7月7日 測定機器:RCSエアーサンプラー(密閉状態で測定)
参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
※3 1台で約1日(スーパーマーケットの場合、閉店後~翌開店前まで)で設置可能。 参照元:日本特殊陶業株式会社公式HP(https://niterra-air.com/faq/)