図書館の蔵書にカビが発生している、湿気で資料が傷んでしまう——こうした悩みを抱える施設管理者や設備担当者は少なくありません。湿度管理を怠ると、カビや虫害による蔵書の劣化が進行し、貴重な資料の損失につながるおそれがあります。
デシカント空調は、温度を変えずに湿度だけを制御できる方式であり、蔵書の保護と快適な空間づくりの両立が求められる図書館に適しています。このページでは、図書館における湿度管理の重要性と、デシカント空調の導入事例を紹介します。
紙は湿気を吸収しやすい素材であり、湿度が高い環境ではカビの発生や虫食い(書虫被害)の原因になります。カビは一度発生すると周囲の書籍にも広がりやすく、放置すれば蔵書全体に被害が及ぶリスクがあります。
一方で、湿度が低すぎると紙が乾燥して脆くなり、ページがひび割れたり変形したりする原因になります。紙資料の保存に適した環境は、一般的に温度20℃前後・湿度60%前後とされており、年間を通じて安定した温湿度を維持することが蔵書を長く保護するうえで欠かせません。
湿気がこもった図書館は不快指数が高まり、カビ臭や結露の発生にもつながります。図書館は利用者が読書や学習のために長時間滞在する場所であり、快適に過ごせる環境を維持することが求められます。
また、日常的に蔵書の管理や配架作業を行うスタッフにとっても、高湿度な環境は健康上のリスクとなりえます。カビの胞子やダニの発生は、アレルギー症状や呼吸器系の不調を引き起こす可能性があるため、利用者・スタッフ双方の健康を守る観点からも、適切な空調管理は重要です。
一般的な業務用エアコンは、空気を冷やして水分を凝結させる「冷却除湿方式」で湿度を下げます。一方、デシカント空調は吸湿材(デシカント材)を用いて空気中の水分を直接除去する方式であり、温度制御と湿度制御を分離して行える点が大きな特長です。ここでは、図書館にデシカント空調を導入する具体的なメリットを解説します。
一般的なエアコンは冷却によって除湿するため、夏場に湿度を下げようとすると室温が必要以上に低下する「過冷却」が発生しやすくなります。図書館では利用者が長時間過ごすことが多く、冷えすぎた室内は快適性を損なう原因となります。
デシカント空調は温度と湿度を独立して制御できるため、室温を適切に保ちながら湿度だけをピンポイントで調整することが可能です。夏場の過冷却を防ぐだけでなく、冬場には加湿機能によって乾燥を抑え、紙資料が乾燥で傷むリスクも軽減できます。
デシカント空調は安定した除湿性能を発揮するため、窓や壁面に発生しやすい結露を効果的に抑制できます。結露はカビの温床となるだけでなく、建物の躯体や内装材を劣化させる要因にもなるため、その抑制は建物の長寿命化にも寄与します。木造建築や木質内装を採用した図書館では、木材の反りや腐食を防ぐうえでも結露対策が欠かせません。
実際に図書館でデシカント空調を導入し、湿気やカビの課題を解決した事例をご紹介します。
鳥取城北高等学校では、以前の図書館で湿気が大きな悩みとなっていました。蔵書にカビが発生してしまうほど湿度が高く、適切な管理が困難な状況が続いていたといいます。また、冬場は逆に乾燥が進み、紙で手を切るといったトラブルも頻発していました。
こうした課題に対し、ダイナエアーのモイストプロセッサー(リキッドデシカント空調機)を導入。窓を開けなくても換気と湿度管理を同時に行えるようになり、蔵書のカビ発生を抑えることに成功しました。冬場も適度な湿度が保たれることで、乾燥による紙の傷みや手を切るトラブルも軽減されています。
図書館において湿度管理は、蔵書をカビ・虫害・変形から守り、利用者やスタッフが快適に過ごせる環境を維持するために欠かせない取り組みです。一般的なエアコンの冷却除湿では、過冷却や湿度の不安定さといった課題が残りますが、デシカント空調であれば温度と湿度を独立して制御できるため、年間を通じた精密な湿度管理が実現できます。
実際の導入事例でも、カビの抑制や快適な学習環境の実現、スタッフの健康改善といった効果が報告されています。図書館の湿気対策でお悩みの場合は、まずデシカント空調の専門メーカーや施工業者に相談し、自館の規模や環境に合わせた提案を受けてみてはいかがでしょうか。
画像引用元:株式会社ティーネットジャパン公式HP
(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
0℃付近で高い省エネ効率(乾式デシカント比約40%削減※1)を発揮し、低温環境での運用コストを大幅に削減。霜取り運転も不要なため安定した稼働が見込めます。
特殊溶液が結露・粉じんを抑え、製品トラブルを予防。除菌性(食塩水相当)により空気中の菌も除去※2し、HACCPにも対応可能です。
画像引用元:株式会社西部技研公式HP
(https://seibu-giken.com/products/287/)
機能性ハニカム構造を製造する技術と、特殊シリカゲルや合成ゼオライトを使用することにより、-90℃DPという超低露点に対応します。
クリーンブースの一体設計が可能。湿度制御の精度を高めることで、恒常的な超低湿制御が前提となる有機EL製造に対応できます。
画像引用元:日本特殊陶業公式HP
(https://niterra-air.com/)
天井埋め込み型なので店内の景観を損なわず、最短1日の夜間工事※3で設置が完了。営業への影響を抑えた導入が可能です。
独自開発の除湿素材を活用し、店内の湿度を40〜50%に保つことで、冷蔵ショーケースの曇りや結露の発生を抑えやすい空調環境を整えます。
※1 108.8kW→61.9kW 参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/files/products_kathabar/comparison_table.pdf)
※2 実証実験による結果。測定場所:某ビール工場 測定日時:1998年7月7日 測定機器:RCSエアーサンプラー(密閉状態で測定)
参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
※3 1台で約1日(スーパーマーケットの場合、閉店後~翌開店前まで)で設置可能。 参照元:日本特殊陶業株式会社公式HP(https://niterra-air.com/faq/)