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空調負荷と分離方式を解説

潜熱・顕熱とは?
空調負荷と分離方式を解説

空調設備の選定では、室温だけでなく湿度の管理も重要です。この記事では、潜熱と顕熱の違いから、潜顕分離空調やデシカント空調の仕組み、低温環境での活用ポイントまで解説します。

潜熱・顕熱とは?
空調で扱う2種類の熱

空調で扱う熱は、大きく「顕熱」と「潜熱」に分けられます。顕熱は温度の変化に関わる熱、潜熱は物質の状態変化に伴って出入りする熱です。空調では、この2種類の熱を適切に処理することで、室温と湿度を調整します。

顕熱とは:
温度の変化として現れる熱

顕熱とは、物質の状態を変えずに温度を上昇・下降させる熱です。たとえば、室内の空気を暖めたり冷やしたりするときに出入りする熱が該当します。空調では、日射や照明、機器、人などから発生する熱を処理し、設定温度を維持するために顕熱を取り除いたり加えたりします。

潜熱とは:
温度を変えずに状態を変える熱

潜熱とは、物質が融解・凝固・蒸発・凝縮などの状態変化をするときに出入りする熱です。空調では、特に空気中の水分に関わる潜熱が重要になります。

たとえば、冷房時に空気を冷やして水蒸気を結露させると、空気中の水分が減り、除湿できます。このとき、水蒸気が水に変わる過程で放出される熱も処理する必要があります。つまり、空調における潜熱処理は、主に除湿などの湿度調整に関わるものです。

空調負荷は「顕熱負荷」と
「潜熱負荷」に分かれる

空調負荷とは、室内を設定した温度・湿度に保つために処理しなければならない熱のことです。温度調整に関わる顕熱負荷と、湿度調整に関わる潜熱負荷に分けて考えます。

顕熱負荷には、日射や照明、機器、人の体から発生する熱などがあります。一方、潜熱負荷には、外気に含まれる水蒸気や、人の呼吸・発汗、調理工程などから室内に持ち込まれる水分が関係します。

空調設備の能力や運転効率を考える際に役立つ指標が、SHF(顕熱比)です。これは、顕熱負荷が全熱負荷(顕熱負荷と潜熱負荷の合計)に占める割合を示します。SHFが高いほど顕熱負荷の割合が大きく、低いほど潜熱負荷の割合が大きいことを意味します。

潜熱負荷はどこから生まれる?
低温度帯の施設で押さえたいポイント

冷凍倉庫や食品工場などの低温環境では、外気とともに侵入する水分が潜熱負荷の原因になります。扉の開閉によって湿った空気が入り込むと、庫内の冷却設備や低温の表面に水分が付着し、着霜につながります。

霜が付着すると、冷却効率の低下やデフロスト(除霜)運転の増加を招きます。デフロスト運転中は通常の冷却を中断する必要があるため、庫内温度の維持や消費エネルギーにも影響しかねません。

こうした施設では、室温を下げるだけでなく、湿度を適切に管理することが重要です。デシカント空調などを活用して空気中の水分を減らせば、着霜を抑え、デフロスト運転時間の削減につなげられます。ただし、効果は外気の侵入量や庫内条件、設備構成によって異なります。

潜熱顕熱分離空調(潜顕分離空調)とは

潜熱顕熱分離空調とは、除湿などの湿度調整と、冷暖房による温度調整を分けて処理する空調方式です。温度と湿度の負荷に合わせて機器の役割を分担することで、効率的な空調運転を目指します。

温度(顕熱)と湿度(潜熱)を別々の機器で処理する空調方式

一般的な冷房では、冷却コイルで空気を冷やしながら、顕熱と潜熱をまとめて処理します。除湿するために空気を十分に冷やす必要があるため、条件によっては空気を必要以上に冷却したあと、再び暖める「再熱」が必要になります。

潜顕分離空調では、除湿を担う機器と温度を調整する機器を分けることで、それぞれの負荷に合わせた運転を行います。たとえば、デシカント外調機で外気の除湿を行い、室内機で主に室温を調整する構成です。

ただし、潜顕分離空調は特定の機器だけを指す言葉ではありません。デシカント空調のほか、外気用と室内空気用のコイルを使い分けるダブルコイル空調など、複数の方式があります。

潜顕分離が
省エネにつながる理由

潜顕分離空調のメリットは、湿度と温度をそれぞれの負荷に適した方法で処理できることです。

たとえば、デシカント空調で除湿を担えば、室内機は温度調整を中心に運転できます。従来の冷却除湿方式のように、除湿のために空気を強く冷やし、再び暖める運転を減らせる場合があります。

また、システムによっては、従来より高い温度の冷水を利用できるため、冷凍機の効率向上も期待できます。ただし、省エネ効果は、除湿方式や再生熱源、冷水温度、外気条件、設備の運転方法などによって変わります。導入時は、機器単体の性能だけでなく、システム全体のエネルギー消費量を比較することが大切です。

潜顕分離空調を構成する
主な機器の組み合わせ

潜顕分離空調では、施設の用途や必要な温湿度条件に応じて、複数の機器を組み合わせます。

代表的な構成は、デシカント外調機とビル用マルチエアコンの組み合わせです。デシカント外調機が主に外気の除湿を担い、ビル用マルチエアコンが室内の温度調整を担います。

ほかにも、外気用と室内空気用のコイルを使い分けるダブルコイル空調や、全熱交換器などを組み合わせたシステムがあります。設備を選定する際は、必要な除湿能力や冷暖房能力に加え、外気量、再生熱源の確保、設置スペース、維持管理のしやすさも確認しましょう。

デシカント空調は
潜顕分離空調で
「潜熱処理」を担う機器

デシカント空調は、乾燥剤を利用して空気中の水分を取り除く空調方式です。吸湿材を使ったデシカントローターなどで除湿し、吸着した水分を加熱などによって放出・排出します。冷却によって水分を結露させる方式とは異なり、空気を直接冷やさずに除湿できる点が特徴です。

潜顕分離空調では、デシカント空調機が主に潜熱処理を担い、別の空調機器が顕熱処理を担う構成を採用できます。湿度管理が重要な食品工場や、冷凍ショーケースを多く設置したスーパーマーケットなど、厳しい温湿度条件が求められる施設で活用されています。

また、再生に必要な熱源として、利用可能な排熱などを活用できるシステムもあります。導入を検討する際は、除湿性能だけでなく、再生に必要なエネルギーや設備全体の運転条件も含めて比較することが重要です。

【目的で選ぶ】
おすすめのデシカント空調3選

低温・低湿度環境で
潜熱・顕熱の考え方を活かすポイント

湿度条件は相対湿度だけでなく露点温度・絶対湿度で整理する

低温・低湿度環境の管理では、相対湿度だけでなく、絶対湿度や露点温度も確認しましょう。

相対湿度は、その温度で空気が含むことのできる最大の水蒸気量に対して、実際にどの程度の水蒸気を含んでいるかを示す指標です。温度が変わると相対湿度も変わるため、相対湿度だけでは空気中の水分量を比較しにくい場合があります。

一方、絶対湿度は空気中の水分量を示し、露点温度は空気を冷やしたときに結露が始まる温度を示します。低温環境では、これらの指標を使って水分量や結露・着霜の条件を把握し、必要な除湿性能を検討することが大切です。

0℃前後の運用では着霜・デフロストへの影響も確認する

0℃前後の環境では、空気中の水分が冷却設備などに付着し、霜が発生する場合があります。霜が増えると熱交換効率が低下し、デフロスト運転の頻度や時間が増える原因になります。

そのため、冷却能力だけでなく、空気中の水分をどこまで減らせるかも設備選定の重要なポイントです。デシカント空調などで低湿度の空気を供給すれば、着霜を抑え、デフロスト運転時間の削減につなげられます。

ただし、必要な除湿性能は庫内温度や製品の保管条件、外気の侵入量などによって異なります。目標とする露点温度や水分量を明確にし、冷却設備との組み合わせを含めて検討しましょう。

まとめ

潜熱は主に湿度調整、顕熱は主に温度調整に関わる熱です。空調負荷を適切に把握し、潜熱と顕熱を分けて処理することで、効率的な温湿度管理を目指せます。

特に低温・低湿度環境では、除湿によって着霜やデフロスト運転を抑えられるかが重要です。施設の用途や必要な温湿度条件に合わせて、潜顕分離空調やデシカント空調の導入を検討しましょう。

THREE SELECTIONS
目的に応じて選ぶ
デシカント空調製品おすすめ3選
チルド食品の冷却包装
向け
カサバー
カサバー

画像引用元:株式会社ティーネットジャパン公式HP
(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)

低温度帯での省エネ稼働と衛生管理

0℃付近で高い省エネ効率(乾式デシカント比約40%削減※1)を発揮し、低温環境での運用コストを大幅に削減。霜取り運転も不要なため安定した稼働が見込めます。

特殊溶液が結露・粉じんを抑え、製品トラブルを予防。除菌性(食塩水相当)により空気中の菌も除去※2し、HACCPにも対応可能です。

有機EL製造・開発環境
向け
ドライセーブSSP/SZP
ドライセーブSSP/SZP

画像引用元:株式会社西部技研公式HP
(https://seibu-giken.com/products/287/)

超低露点乾燥を実現する独自技術

機能性ハニカム構造を製造する技術と、特殊シリカゲルや合成ゼオライトを使用することにより、-90℃DPという超低露点に対応します。

クリーンブースの一体設計が可能。湿度制御の精度を高めることで、恒常的な超低湿制御が前提となる有機EL製造に対応できます。

冷蔵ショーケース結露対策
向け
カラットデシカント
カラットデシカント

画像引用元:日本特殊陶業公式HP
(https://niterra-air.com/)

営業を止めずに黒カビ・結露対策

天井埋め込み型なので店内の景観を損なわず、最短1日の夜間工事※3で設置が完了。営業への影響を抑えた導入が可能です。

独自開発の除湿素材を活用し、店内の湿度を40〜50%に保つことで、冷蔵ショーケースの曇りや結露の発生を抑えやすい空調環境を整えます。

※1 108.8kW→61.9kW 参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/files/products_kathabar/comparison_table.pdf)
※2 実証実験による結果。測定場所:某ビール工場 測定日時:1998年7月7日 測定機器:RCSエアーサンプラー(密閉状態で測定)
参照元:ティーネットジャパン公式HP(https://www2.tn-japan.co.jp/kathabar/contents/products/kathabar/)
※3 1台で約1日(スーパーマーケットの場合、閉店後~翌開店前まで)で設置可能。 参照元:日本特殊陶業株式会社公式HP(https://niterra-air.com/faq/)